《鶴岡慎也のツルのひと声》北山、バッテリーにとって意義のある〝ごまかし〟
■パ・リーグ11回戦 オリックス3ー6日本ハム(7月2日、エスコンフィールド北海道)
負けられない一戦で試合つくった北山 状態は決して良くなかった
この日の勝利には大きな意味がある。オリックスに2連敗し、迎えたカード3戦目。Aクラス、その先の優勝を目指すファイターズにとっては負けられない一戦だ。上位チームに3連敗を喫してしまうと、どうしても上昇ムードがしぼんでしまう。ゲーム差も当然、開いていく。今後もソフトバンク、ロッテと上位チームとの戦いが続く。
そんな状況で、チームは踏みとどまった。先発の北山は七回途中3失点と試合をつくった。正直、調子は決して良くなかった。ストレートが思ったところにコントロールできていなかった。
ストレートに代わって軸となった球とは…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
ただ、この日はスライダーを軸にした。いつもは直球、カーブ、フォークが主体となるが、スライダーをカウント球にも勝負球にも使い、ゲームメークした。
これには大きな意義がある。思い通りの球を次々と投げられ、配球もきっちりハマる。そんな日はシーズンでも、まれだ。調子がイマイチの時に、どう試合をつくるか。それが先発投手、バッテリーに求められる。
引き出しを増やしたバッテリー 勝利したのも大きい
この日、北山とマルティネスは「こういうパターンもあるぞ」と引き出しを増やすことができた。言い換えれば、うまく〝ごまかし〟を効かせることができた。しかも勝利につなげられたのが何よりも大きい。
清宮のホームランは魅力的 チームへの貢献度も絶大
打線では清宮が3安打と気をはいた。八回の一発は実に効果的だった。抑え投手にとっては1点よりも2点、2点よりも3点。点差は多いに越したことはない。
得意な内角寄りのボールを運んだのだが、1打席目から自分の間合いで、しっかりスイングできていた。八回、甘いボールを逃さなかったのは、うなずける。前半戦、負傷離脱していた。その分、後半戦は猛チャージしてもらいたい。清宮の本塁打はやはり魅力的で、チームへの貢献度は絶大なのだから。
期待のレギュラー候補・浅間 今後もどんどん打って
三回に逆転タイムリーを打った浅間も存在感を示した。彼も、けがから復帰したばかり。私自身、レギュラーとして期待していた一人だ。今後もどんどん、チームを上位進出へと導く一打を放っていってもらいたい。