《鶴岡慎也のツルのひと声》丁寧かつ大胆に。新たな攻め方も披露した伊藤
■パ・リーグ12回戦 日本ハム10ー3ソフトバンク(7月4日、ペイペイドーム)
決め球として有効だったスプリット 柳田を3三振
上位を走るソフトバンクとのカード初戦。ファイターズが快勝した。まずは先発マウンドに上った伊藤。強力打線を相手にしっかりと試合をつくった。調子は良かったのだが、相手打線を考慮し、丁寧にいくところは丁寧に攻め、確実にアウトを重ねた。
進化した姿も披露した。目を見張ったのがスプリット。伊藤投手といえば、スライダーやカットボールなど曲がる球が得意だが、決め球にスプリットを駆使。柳田からは3三振を奪った。前回登板あたりから使用しているボール。違った攻め方もできることを証明した。
強力打線を相手に好投 バッテリーを勇気づけたものとは…
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六回途中129球。好調の伊藤投手にこれだけの球数を投げさせたソフトバンク打線はやはり、脅威だ。伊藤は慎重さを保ちながらも、時に大胆にいった。その投球を引き出したのはスタメン復帰した野村だろう。一回にいきなり3ラン。バッテリーを勇気づけた。
悔しい時間を無駄にしなかった野村 新庄監督の期待にも応えた
野村は2試合、スターティングオーダーから外れた。その悔しい2試合を、しっかりと成長する時間に充てた。どうやったら試合に出られるか。チームに貢献できるか。そのためにはどういう打席にすべきか。腐らず前を向き、何事も無駄にしなかった。
復帰即4番に据えた新庄監督の期待にも応えた。忘れられない一本になったはずだ。試合前の時点で首位だったソフトバンクとのカード頭。上位を狙う日本ハムにとっては大事な一戦だ。チームにとっても価値のある本塁打となった。
進化している打撃技術を証明した万波の一発
野村と同期で、良い意味でライバルと言える万波はリーグトップを独走する15号を放った。最近、若干ボール球を追いかける傾向が見られていたものの、本塁打の打席はしっかりと狙い球を絞り、ミスショットすることなく完璧に捉えた。詰まりそうな内角寄りのボールを腕を畳んでコンパクトに振り抜いた。技術的にも素晴らしい一本だった。
伏見はバットでも存在感を示した 次戦以降も楽しみ
もう一人、触れておきたい。伏見だ。リードは当然、評価できる。この日はバットでも、ホームランを含む2安打3打点と活躍した。マルティネスが出場機会を増やし、トレードで加入の郡司も打撃絶好調だ。打つ方でも貢献しなくては―との思いが強かったはず。しっかりと存在感を示してくれた。次戦以降も楽しみだ。