《荒木大輔のズバリ解投》ことごとく打者にタイミングを合わせられた鈴木
■パ・リーグ13回戦 日本ハム1ー5ソフトバンク(7月5日、ペイペイドーム)
目立ったコントロールミス 独特の緩急もなりを潜めた
先発した鈴木が持ち味を発揮できずにマウンドを降りた。一回、味方守備が乱れる不運もあった。それでもコントロールミスが目立っていたのは事実だ。鈴木の一番の武器は緩急。スライダーやシンカーなど、独特の緩いボールを駆使しながら、打者のタイミングを外していく。
それがこの日はなりを潜めた。ことごとく打者にタイミングを合わせられた。釣り球が甘く入り、低めに落とすシンカーもほとんど見られなかった。ストライクゾーンで、どんどん勝負していくのは決して悪いことではない。だが、意図せずストライクゾーンに行ってしまったボールは打者に捉えられてしまう。
アンダースローの鈴木 好投に不可欠なポイントとは…
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ポイントは下半身の粘り。野手の投げるボールは打ちやすい。なぜならピッチャーのように、下半身を使ってしっかりと間をつくりながら投げていないからだ。深く沈み込むアンダースローの鈴木なら、なおさら下半身の粘りが重要で、負荷も大きくなる。
今季、グランドで鈴木と言葉を交わした。下手投げに変更したことで、今までなかった箇所に張りを感じるという。不規則な登板もあった。もとより、先発ローテーションに加わるのはプロキャリアで初めてのこと。疲労が蓄積している可能性は十分にある。
重要なオールスターブレークの活用 自分のペースを取り戻す契機に
オールスターが近づいている。その期間を有効活用してほしい。個人的にミニキャンプを行い、ランニングデーをつくったりするのも手だ。当然、リフレッシュも必要。もう一度、自分のペースを取り戻してもらいたい。
福田俊や山本拓の台頭がチームを底上げ
一方で、福田俊や新加入した山本拓らの台頭はチームにとってプラスだ。ペナントレースは半分以上を消化。勝ちパターンが固まってきた。この日のようにビハインドで投げる投手が安定してくれば、試合をひっくり返す可能性も高くなる。上位進出を狙うためには必要不可欠だ。
日々進化の万波 厳しいマークの中でコンスタントに結果
打者では万波の成長が著しい。今や日本ハムの中で、他チームからのマークが最も厳しい選手の一人だろう。警戒が強まる中でもコンスタントに結果を残せるようになってきた。確実にレベルアップできている。