15日新潟戦でしばしの別れ「聖地・厚別」で後押しをお願い《河合CRC竜の眼》
初めての厚別は浦和時代の2000年
札幌―新潟戦が7月15日に札幌厚別公園競技場で行われる。私が初めて厚別でプレーしたのは、浦和在籍時の2000年7月29日(札幌2-1浦和)だった。1万9000人を超える観客が来場した満員の厚別を見て、対戦相手ながら「札幌のサポーターは熱いな。すごく魅力があるな」と感じていたし、11年に札幌に移籍してくるにあたって、その記憶がプラスの要素になった。
11年10月熊本戦のゴールは自身ベスト3に入る
札幌時代の厚別の試合で特に印象に残っているのは、ミドルシュートで先制点を挙げた11年10月30日の熊本戦(3〇0)だ。自分のゴールの中でベスト3に入るものだったし、昇格に向けて負けられない一戦で勝つことができ非常によく覚えている。また12年7月7日の新潟戦(0●1)で試合中に右膝を負傷し約2カ月にわたり戦線離脱したことも忘れられない記憶だ。
15日の新潟戦を最後に改修工事のため約2年間、厚別での試合がなくなる。「聖地・厚別」と呼ばれるようにファン・サポーターの応援が奇跡を呼び起こしてくれると思うので、しばしの別れとなるこの試合に多くの皆さまにお越しいただいて、選手の後押しをしていただきたい。
翌16日「サポーターズデー」もお願い
そして翌16日には『2023サポーターズデーin宮の沢白い恋人サッカー場』が行われる。選手にとっては普段応援していただいているサポーターに直接恩返しができる場。ファン・サポーターのあふれる笑顔や応援の声が選手の力にもなるので、多くの皆さまにご来場いただいて選手とのふれあいを楽しんでもらいたい。
アウェー神戸戦での勝ち点1はポジティブに捉えていい
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1日の神戸戦(1△1)は、リーグ戦2位に位置していた神戸に対して、アウェーで勝ち点1を持ち帰れたことをポジティブに捉えていいかなと思う。神戸相手にあれだけの試合を演じられたことは、開幕当初から考えるとチームとしての成長を見せられたと思っている。
荒野の持ち運びが一気に状況を変えた
前半26分に札幌がMFスパチョークのゴールで先制した。この場面はMF荒野の自陣からの持ち運びがすばらしかった。ああいうプレーが荒野の魅力であるし、これで一気に状況を変えることができたと感じた。決して目立たないけれどすばらしいプレーだった。パスを出した後も動きを止めずにペナルティーエリア内に進入し、金子のクロスに対して入っていけたことで相手GKのパンチングミスを誘うことができたのではないか。
金子、岡村の体を張ったすばらしいディフェンス
後半6分には神戸の決定的なシュートをMF金子、DF岡村が立て続けに防いだ。このシーンのきっかけとなったFKへの対応には少し疑問が残るが、球際の最後のところで体を張ることができたすばらしいディフェンスだったと思う。
PKで2点目を取っていれば試合は決まっていた
その直後に起きたMF浅野のシュートが相手DFの足に当たってはねて、その選手の手にボールが当たったシーン。札幌のサポーターからすると「PKでしょ!」と言いたくなる場面だったと思う。たらればだが、PKで2点目を取ることができていれば試合は決まっていたと思う。レフェリーが初めて日本で吹く方だったりいろいろな要素があってのノーハンド判定だったが、それも含めてサッカーだということ。
同20分のすばらしい崩しからの浅野のシュートがしっかりミートできなかったり、決められるところでしっかり決めていれば、勝負の行方を決めることができていたはず。後半40分にCKから同点に追い付かれたが、チャンスをものにできなければそういうことになってしまう。CKの前のボールの奪われ方も良くなく、そういったちょっとした隙が相手に流れを渡してしまうところで、改めてサッカーの怖さを感じたシーンだった。
神戸の倍のシュート数「制度を高めることが今後重要」
この試合の札幌のシュート数は神戸の倍の20本。相手を大きく上回る本数のシュートを放ったことは評価したいが、その精度を高めていくことが今後の戦いでは重要になっていく。
この試合が神戸MFイニエスタの日本ラストゲームとなったが、彼がJリーグでプレーしたことは日本サッカー界において大きな出来事だった。彼のサッカーへの姿勢や人間性は非常にすばらしいものだったし、トップオブトップの選手のプレーが間近で見られるのは日本サッカー界においてはすごく重要なものだった。