12日天皇杯3回戦で札幌と対戦するV大分の道産子監督 山橋氏が古巣との対決に「楽しみで仕方ない」
札幌第一高出身、ヤンマー(C大阪)を経て札幌で2年間プレー
北海道コンサドーレ札幌は6月7日の天皇杯2回戦でSC相模原を3-0で下し、3回戦へと駒を進めた。次の対戦相手はJ2大分トリニータにジャイアントキリングを達成したJFLヴェルスパ大分。監督を務めているのは札幌市出身で1997年から2年間札幌でもプレーした山橋貴史監督(51)だ。目前に迫った古巣対決に向けて意気込みを語った。
2回戦でJ2大分を破るジャイアントキリング
6月7日にレゾナックドーム大分で行われた大分ダービー。公式戦での過去2回の対戦ではいずれも敗れていたトリニータ相手に、ヴェルスパは前半6分に先制ゴールを挙げ、そのまま1-0で勝利。見事に〝3度目の正直〟で金星をつかみ取った。
この試合について山橋監督は「選手は本当にモチベーション高く、ピッチでプレーしてくれました。過去に2回対戦して2回とも負けていましたが、僕が監督になってからの天皇杯でJクラブに勝ったりという経験をする中で、選手たちも自分たちが成長していることを実感していて。そういう中でトリニータに対しても、立ち向かっていくようなプレーができていたと思います。早い時間に先制できたのが大きく、最後まで集中を切らさずに相手をリスペクトして守備を固めることではなく、リーグ戦でもやっているようなアグレッシブな攻守のプレーがたくさん出たので、それが結果に繋がったかなと思います」と選手たちを讃える。
攻守において札幌のようなアグレッシブさを目指す
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組み合わせが決まった時、山橋監督は勝ち進めば2回戦は大分ダービー、そして3回戦で古巣・札幌との対決にトーナメント表を見てワクワクしていた。「もう楽しみで仕方ないですね。やっぱり力的には札幌はJ1に定着しているチームですし、攻撃という部分でいえば首位の横浜Mと変わらないぐらいの得点数を挙げていて。守備も積極的にアグレッシブにボールを奪いに来るイメージがある。僕らも攻守において、そういうところを目指しているので、実際に対戦できて経験できることで、僕らにとってはすごくいい対戦カードだと思います」と古巣のサッカーを称賛し、その姿を目標にしていると語る。
「ボールを積極的に奪いに行って、奪ったら怖がらずにパスをつなぐ」
もちろん簡単に勝利を譲る気など無い。「いい経験だけで終わらせるんじゃなくて、本気で戦って勝ちに結びつけられるような気持ちで臨みます」。2回戦に続くジャイアントキリングを虎視眈々と狙っている。「トリニータ戦の時もそうでしたが、相手が格上ということを意識しすぎて下がって守備を固めるとか、相手のプレッシャーを怖がってボールを蹴ってしまうとか、そういうプレーじゃなくて、いつも通りボールを積極的に奪いに行って、奪ったボールをゴール目指して怖がらずにパスをつなぐとか。自分たちのやってきたことをそのままピッチ上で表現できるようにしたい」と真っ向勝負を挑む構えだ。
試合の舞台はヴェルスパのホーム・レゾナックドーム大分。「地元でたくさんの応援がある中だと選手も勇気づけられると思います」。札幌がJ1チームとして順当に勝利をつかみ取るのか。それとも元赤黒戦士の山橋監督が番狂わせを起こすのか。注目の天皇杯3回戦は12日午後7時キックオフだ。
■プロフィール 山橋 貴史(やまはし・たかし) 1972年5月31日生まれ、札幌市出身。札幌第一高から91年にヤンマー(現C大阪)に入部。97年に当時JFLの札幌へ移籍し、同年のJFL優勝、Jリーグ昇格に貢献した。98年シーズン終了後に札幌を退団し、夕張ベアフット(当時)でもプレー。引退後は日本サッカー協会のスタッフとなり、2009年のU-17W杯に出場した日本代表チームでアシスタントコーチを務めた。21年にヴェルスパ大分の監督に就任。現役時代のポジションはFWやMFで、札幌では2年間でリーグ戦19試合に出場し1得点。Jリーグ通算52試合出場3得点。