売り出し中の細川 バットで守備で魅了 新庄監督も指摘するミスには猛省
■パ・リーグ12回戦 ロッテ3ー2日本ハム(7月8日、エスコンフィールド北海道)
二回に一時勝ち越しの一打 右手一本でライト線へ
躍動する若手がチームに揚力をもたらす。日本ハムの細川凌平内野手(21)が8日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦に「8番・遊撃」で出場。同点の二回2死二塁の好機で、一時勝ち越しとなる適時二塁打を放った。
技ありの一打だった。「(球種は)頭に入っていた」と、美馬の鋭く落ちるフォークを最後は右手一本で振り抜いた。打球が右翼線で弾む間に、背番号56は一気に加速。二塁ベースへ到達しても顔色一つ変えず、タイムリーの喜びを胸に畳んだ。
一喜一憂しない21歳 常に平常心を心がける
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打点は6月4日の巨人戦以来、約1カ月ぶり。久々の感覚を「2死から1点取ったのはチームにとって良い形。下位打線でああいうことができると後につながる。それが、きょうはたまたま僕でした」と謙虚な言葉で振り返った。
売り出し中の21歳は、クールな思考の持ち主だ。ワンプレーに一喜一憂することは極端に少なく、感情を操る術にたけている。「ミスをしても良い結果が出ても同じような状態でプレーしたい。もちろん感情が出てしまうこともある。それは自分で制御しているところを超えた時。コントロールできる間は、常に冷静でいることを意識しています」。若いながらも〝いぶし銀〟。独特の輝きでファンを魅了する。
ファインプレーもミスも出た守備 新庄監督「もったいないね」
バットでのアピールに成功した一方、守備の明暗はハッキリ分かれた。七回1死の場面では、田村の放った中堅へ抜けそうな打球を横っ跳びで好捕。間一髪のタイミングでピンチの芽を摘んだ。しかし、九回にはボテボテの打球に対してランニングスローを試みるも、まさかの暴投。「最後のミスが全てだと思う。一つ一つ取れるアウトをきょうは取れなかった」と猛省した。
期待値が高い分だけ、首脳陣の要求は厳しくなる。新庄監督は試合後、一連のプレーに触れ「最後の送球。ああいうところがもったいないね。せっかく打ったのに。横で投げるスローを変えないと、今後もああいう送球になっていくと思う。外野でのスローは上からきれいに投げるんですけどね。ちょっと変えていこうかなと思います」と、あえて苦言を呈した。
伸びしろは十分 レギュラー奪取へ「もっと詰めていかないとダメですね」
取り組むべき課題こそが、成長へ向けた伸びしろだ。細川は「ミスをなくさないとレギュラーは取れないし、大事なところで使ってもらえない。(送球は)外野の時は大きく投げられるけど、内野になると横になる。(内野守備走塁コーチの飯山)裕志さんと改善したいと話している。実戦の中で出せるように毎日ショートでノックを受けていますが、もっと詰めていかないとダメですね」と前を向く。成功と失敗を繰り返しながら、輝かしい未来へと突き進む。