札幌MF宮澤主将「リスクある選択をしてしまった」 PK失敗から悪夢の3分間で逆転負け
■J1第20節 福岡2-1札幌(7月8日、福岡・ベスト電器スタジアム)
今季3度のPK全て決めてきた金子がまさかのポスト
後半途中から激しさを増した雨に洗い流されたかのように、掴みかけていた白星がすり抜けていった。北海道コンサドーレ札幌は1点リードの後半18分、ペナルティーエリア内でMF駒井善成(31)が倒されたプレーにVARが介入し、PKが与えられた。福岡を突き放して勝ち点3に近づく大きなチャンスでキッカーを務めたのは、今季ここまで3度のPKの場面で全てゴールネットを揺らしてきたMF金子拓郎(25)だ。しかし、左足から放たれたボールは左ゴールポストを叩いてしまった。試合後、金子は悔しさを噛み締めながら「自分がPKを決めていれば勝てた試合」と言葉を絞り出した。
直後の後半21分、24分に連続失点
このプレーを境に、試合の流れが一気に福岡へと傾いた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)が「PKを外したことによって、選手たちに心理的な動揺があった」と振り返ったように、直後の同21分にFWウェリントン(35)に同点ゴールを決められると、同24分にはDF湯澤聖人(29)にも決められた。わずか3分間で起きた逆転劇。前回対戦(札幌ドーム、2△2)でも7分間に連続失点してドローに持ち込まれたが、敵地での再戦でまたしても急所を突かれてしまった。
宮澤主将「自分たちが突き放すチャンスもあった試合」
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MF宮澤裕樹主将(34)は「自分たちが突き放すチャンスもあった試合だったけど、流れが来たときに決め切れなかった」と、PK以外にも再三のチャンスをつくりながら、追加点を奪えなかったことを悔やんだ。
福岡の長いスルーパスをカットしようと懸命のスライディングも届かず
1失点目の場面は、敵陣に攻め込みながらもパスを奪われたことでカウンターを受けたもの。福岡の長いスルーパスをカットしようと最後方にいた宮澤が懸命にスライディングをしたが届かず、チャンスをものにされてしまった。「相手は前線に背の高い選手を入れて、明確にパワープレーしている中で、自分たちのチャンスのところからのカウンターで、広大なスペースを使われてしまった。チームとしてのゲームの進め方、準備もそうだし、僕もどちらかというとリスクある選択をしてしまった部分がある」。
4試合連続1得点のみと、自慢の攻撃力が鳴りを潜めてしまっている現状を考えると、神戸戦で見せたような粘り強い守備で失点を防いでいかなければ、今後も勝ち点を積み上げていくことは困難だ。
福岡から熊本へ移動してミニキャンプ、天皇杯、新潟戦 真価が問われる過密日程
この後は熊本へ移動してミニキャンプを実施する。福岡戦から中3日で天皇杯3回戦のヴェルスパ大分戦(12日、レゾド)、そして札幌へ戻って中2日でリーグ新潟戦(15日、札幌厚別)と、厳しいスケジュールが待ち構えている。札幌が目標に掲げるリーグ戦トップ5、そしてタイトル獲得に向けてどちらも負けることが許されない試合だ。リーグ戦4試合勝ち無しという苦境でこのままズルズルと後退してしまうのか、それともここから巻き返しを見せるのか。札幌の真価が問われる1週間となりそうだ。