山本拓 新庄監督も「最高」と絶賛の2回完全 快投の裏に元F戦士のアドバイス
■パ・リーグ13回戦 ロッテ3ー2日本ハム(7月9日、エスコンフィールド北海道)
オープナーで2回パーフェクト 主力から奪三振も
中日からトレードで加入した日本ハムの山本拓実投手(23)が9日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦で先発し、2回パーフェクトの快投を見せた。郡司裕也捕手(25)との元中日バッテリーで輝きを放ち、北海道のファンを魅了。新庄剛志監督(51)の粋な計らいに、力いっぱい応えた。
出し惜しみはしない。プロ生活の集大成を詰め込んだ22球だった。最速151キロの直球で押し込み、変化球を織り交ぜた。中村奨、山口からスライダーで三振を奪うなど、ロッテの上位、中軸をねじ伏せた。
新庄監督からのねぎらいに感動 「(心に)染みました」
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降板後〝演出家〟の新庄監督からひと言だけ「最高」と声をかけられた。自然に喜びがあふれ出て「(心に)染みました。チームメート、ファイターズファンに対しての印象もそうですし、きょうがすごい大事だと思っていた。2イニングしか投げていないですけど、結果という形で見せられたのは、良かった」と実感を込めた。
女房役の郡司も大絶賛 「山本拓実史上、一番良かった」
中日の2軍戦で何度もバッテリーを組んできた郡司はこの日が移籍後、初マスクだった。献身的なリードで後輩をサポートし「山本拓実史上、一番良かったです。全変化球投げましたし、全部精度も高かったですし、何を投げても抑えられそうだなという感覚がありました」と感無量の様子だった。
元日本ハムの中日・谷元&大野から金言 打者心理を学ぶ
高卒6年目で、ブレークの予感を漂わせている山本拓。成長のきっかけは、中日の先輩だった大野、谷元を頼り、2022年から参加している宮古島自主トレだった。くしくも2人から同じ指摘を受けていた。「真面目すぎると言われました。全部を全力でやってしまうのはもったいないと。真面目さは良いところでもあるけど、もっと遊び心を持って野球をやろうと」
逆転の発想が根底にあった。「今までピンチになったら全球、思い切り腕を振っていた。でも、こっちがピンチの時、打者は打ち取られたら嫌な場面なんだと。相手の気持ちになろうと言われて、なるほどなと」。打者はチャンスで重圧がかかる。力任せより、打ち気をそらすような球が有功なケースもある。柔軟な選択をするためにも、余裕を持つことが重要だと悟った。
チーム方針と本人の希望が合致 建山コーチ「いろんなところで使える」
今後はチーム方針で中継ぎに回る見込み。建山投手コーチは「流れを変えられるようなピッチングをする。彼自身がマルチに働けるピッチャーを理想としているみたいで、こっちの思惑も一緒。短い先発、ロングリリーフ、ワンポイントから1イニング、本当にいろんなところで使える」と期待を寄せた。1軍で戦える実力は、証明した。次は困った時の切り札として、高難度の任務を任される。