札幌MF田中宏武「アピールのチャンス」 V大分撃破で定位置奪取につなげる
■7月10日、熊本県・大津町運動公園球技場
天皇杯3回戦まで熊本でミニキャンプ
北海道コンサドーレ札幌は8日の福岡戦(ベススタ、1●2)後、そのまま熊本入りしてミニキャンプを実施。九州の地で調整を行い、12日にレゾナックドーム大分で行われる天皇杯3回戦ヴェルスパ大分戦へと臨む。MF田中宏武(24)はここまでルヴァン杯と天皇杯で計5試合に出場。得点に絡むプレーを再三見せているが、リーグ戦では1試合にベンチ入りしたのみで出場機会は得られていない。現状を打開するためにも、天皇杯の舞台でアピールを見せて、チーム内での存在感向上を目指す。
ミニキャンプ初日は、練習開始直前に突如土砂降りの雨が降り出し、時折遠くで鳴り響く雷鳴に細心の注意を払いながらトレーニングを行った。約1時間の練習の中で田中宏がキレのある動きを披露していた。
ルヴァン杯で2アシストもリーグ戦出場0
今季はルヴァン杯グループステージの横浜M戦とのホーム、アウェーの2試合で、共に1アシストをマーク。J3相模原との天皇杯2回戦(札幌厚別、3〇0)でも田中宏のクロスをきっかけにゴールが生まれるなど、攻撃面で幾度となく見せ場をつくっている。だが「リーグ戦に絡めていないのが今の全て。もちろん結果のところであったりは、去年に比べて残せてはいますけど、そのほかの部分でもっとやらなければいけないと思っています」と現状を冷静に見つめる。
金子、ルーカス、菅ら高いライバルの壁
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
MF金子拓郎(25)やMFルーカス・フェルナンデス(29)、FW菅大輝(24)といったウイングバックのライバルたちの壁を乗り越えて、リーグ戦の出場機会を得るために必要なポイントをどう捉えるのか。「90分間通してがチームで求められているところ。今なかなか勝ちを拾えていない中で、ミシャさんが言う『走る、戦う、規律を守る』がポジション関係無くすごく大事。そこの部分はプレーが悪くてもできることなので、もっと意識しながらやって、その中で自分の特長であるドリブルだったりゴールにつながるプレーを出していきたい」。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)の言葉を胸に刻み、1試合通したプレーのクオリティー維持を目指して自己を高めている。
馬場、西野と共に駒井に弟子入りし筋トレ
自己鍛錬への取り組みのひとつが筋力トレーニング。仲の良いDF馬場晴也(21)、DF西野奨太(19)と共に筋骨隆々なMF駒井善成(31)に〝弟子入り〟し、全身の筋肉を鍛え上げているところだ。「カップ戦とリーグ戦だと、強度もリーグ戦の方が高い。球際だったり戦う部分だったり。目指しているところはリーグ戦なので、みんなで上の強度の中でやれるように善成くんが教えてくれています。Jで何百試合も出ている人ですし、強度の部分ではチームでも本当に高い選手だと思うので見本としています」。プレーへの意識と、それに対応する肉体が高いレベルで一致したとき、田中宏の存在感はさらに高まっていることだろう。
天皇杯は僕らにとってはアピールのチャンス
天皇杯3回戦の相手は3カテゴリー下のJFLヴェルスパ大分。だが決して相手を軽視などしていない。「僕らがもし逆の立場だったら、J1と試合ができることで失うものも無いのでなりふり構わず来ると思いますが、そこの圧に負けたら絶対にダメ」。番狂わせを起こそうと高いモチベーションで臨むヴェルスパを警戒するが、田中宏だってこの一戦に懸ける思いがある。「僕も含めてあまり試合に出ていない選手が出るかもしれないけど、僕らにとってはアピールのチャンス。チームの勝利に貢献しながら自分のプレーをしっかり出していければ」。定位置奪取への足がかりとすべく、田中宏が自身のサイドを制圧して札幌の4回戦進出に大きく貢献する。