高校野球
2023/07/12 19:30

初陣・足寄 大物OBも駆けつけ初戦突破とエスコン一番乗り狙う【北北海道大会】

公式練習で、元気よくグラウンドに飛び出す足寄ナイン(撮影・西川薫)

公式練習も1番手、開幕試合に足寄町からツアー

 全国高校野球選手権北北海道大会が13日から旭川スタルヒンで開幕する。12日は公式練習が行われ、出場16校がグラウンドの感触を確かめた。トーナメント左ブロックの足寄-士別翔雲、滝川-武修館の4校の中で勝ち残った1校が、準決勝以降を行うエスコンフィールド北海道一番乗りの切符を手にすることができる。開幕試合に登場する足寄は創部75年目で3季通じて初の道大会。13日の1回戦・士別翔雲戦には足寄町から応援ツアーが組まれ、野球部OBの鈴木宗男参議院議員(75)も駆けつける予定だ。

斉藤主将「先に息継ぎした方が負け」

 公式練習1番手で登場した足寄ナイン。元日本ハムの池田剛基監督(38)から「20分間、息継ぎするなよ」と声をかけられ、元気よくグラウンドに飛び出した。斉藤新主将(3年)は「練習の時から『先に息継ぎした方が負けだぞ』って言われています。大事な場面で、苦しい場面で我慢ができないとってこと。9回、息継ぎしないで、打席では深呼吸して戦いたい」。十勝支部予選3試合23得点の攻撃的野球を貫き勝利を目指す。

2回勝てば、エスコン切符一番乗り

 十勝支部予選に続いての開幕試合。斉藤主将は「自分の代になってから、ほぼ開幕戦なんです。最初にベスト8を決められるんで、いいんじゃないですか。早く試合がやりたくて楽しみで仕方ない。北大会出場を決めて、その後がエスコンを目標に定めた。(2回勝てば)最初にエスコンに足を踏み入れることができる。ワクワクしてます」と、初戦突破と4強一番乗りを誓った。

 最速142キロ右腕のエース・青木佑介投手(2年)は十勝支部大会3試合で防御率4.91と苦しんだ。極度の緊張タイプで、十勝支部予選1回戦の帯広柏葉戦では先発も途中降板。「緊張で全然いいボールが行かなかったんで、今回はしっかり投げたい」。この夏から登板前夜に炭酸飲料の「デカビタC」を飲むのがルーティン。「飲めば負けない」と、すでに2本を購入済み。勝利の儀式でエスコン行きへ必勝態勢を整える。

池田監督は町のヒーロー、2回戦は全校応援

 北大会出場を決めた反響は予想以上に大きかった。 町民有志の「足寄高校野球部を応援する会」が呼びかけた寄付金は約500万円が集まり、13日の士別翔雲戦はバス2台に分乗した大応援団が旭川にやってくる。池田監督は「足寄を出る前にも『頑張ってきてね』とコンビニに行っては声をかけられ、(車に)ガソリンを入れては声をかけられ、ご飯食べに行っては声をかけられ、いろんなところで応援をいただいております」と、すでに町のヒーロー的扱いだ。1回戦を突破すれば、15日の2回戦は全校応援を行う予定。
 

公式練習で、外野へノックを打つ、池田監督(左)

野球部OB鈴木宗男議員から差し入れと激励

 7月9日には、鈴木氏が同校にスポーツドリンクの差し入れと激励に訪れた。斉藤主将は「鈴木宗男さんも高校時代に野球やってて、支部予選の決勝で負けたと聞き『ほんと、勝ってくれて良かった。13日の予定は全部キャンセルしたんで見に行きます』って言ってました。鈴木さんもそうですし、町民の方々もたくさん来てくれる。期待に応えるというか、自分たちは自分たちの野球をやるだけなんですけど、それが結果としてつながればいい」と勝利で恩返しする。

青木投手「(同校OB)松山千春さんより先にエスコンで投げたい」

 同校OBの松山千春さんが8月4日にエスコンフィールド北海道で行われる日本ハム-ソフトバンク戦の始球式に登場し、代表曲「大空と大地の中で」を歌唱することが7月11日に発表された。13日も応援に駆けつける予定だそう。青木投手は「松山千春さんより先にエスコンで投げたい」。エスコン元年、足寄が歴史を作る。

 

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