高校野球
2023/07/12 20:30

釧路江南の楓川親子〝釧路ダービー〟制して初戦突破だ【北北海道大会】

楓川(もみじかわ)監督と、1年春から正捕手と3番を担う、長男の瑛太(手前)(撮影・西川薫)

楓川監督と長男・瑛太捕手

 全国高校野球選手権北北海道大会が13日から旭川スタルヒンで開幕する。12日は公式練習が行われ、出場16校がグラウンドの感触を確かめた。5年ぶり30度目となる釧路江南は1回戦で釧路工業と対戦する。釧路江南の楓川卓也監督(49)と長男・瑛太捕手(1年)の〝親子鷹〟で出場5大会連続の初戦突破を目指す。

互いに手の内を知る相手との初戦

 釧路江南が北大会1回戦で唯一の同支部対決となった「釧路公立校ダービー」を制する。新チーム結成後、公式戦での対戦は初めて。ただ5月末の練習試合は1勝1敗ながら主力組は2-8で敗れている。楓川監督は「お互いに知ってる相手なんで、どう影響してくるのかな。僕もいろんなことは考えてますけど、多分、向こうも同じことを考えてると思う。釧路工業さんは打撃がいいチームなので、どういう風にそこを考えていくかな」。初戦から難しい戦いになるが、策を張り巡らせる。

監督「あまり1年生らしくない。安定感がある」

 長男・瑛太捕手は入学早々、練習試合などで結果を出してチームでただ1人、1年生で1桁背番号をゲット。指揮官は「あまり1年生らしくないっていうか、キャッチングとかも比較的慌てずに落ち着いてやってくれるキャッチャー。安定感がとてもある」と信頼を置く。

 釧根支部では2試合とも1点差ゲームを制して代表権を勝ち取った。瑛太捕手は打線では3番を担う。「1、2番が出たら、しっかりつないでいけたら。3カ月教えてもらったことをこの大会で結果としてチームに貢献できるように、先輩方に感謝の気持ちで返したい」と、つなぎ役としての仕事を全うする。

少年野球時代に全道準優勝、願書提出直前まで悩んだ

 少年野球の中標津ホルスタインでは「4番・捕手」として全道大会で準優勝の経験を持つ。ファイターズジュニアの最終選考に進んだ実力の持ち主だ。中標津広陵中でも捕手一筋。高校は父を追いかけ釧路江南に進学-と思いきや、実は違った。同校3年の昨年、願書提出前夜まで札幌の公立進学校に進むか悩んだ。「お父さんはあんまり関係なくて…。友達とかも(釧路)江南に行くからと。中標津を出たいなという気持ちがあった。お父さんがいるのは嫌だったんですけど、それでもいきたい」。単身赴任の父とは一緒に住まず下宿暮らし。「最初は嫌だなって思ってたけど、1カ月で慣れるよってお父さんに言われていた。そしたら、もう1週間ぐらいで慣れて、あんま気にしなくなりました」。監督と選手として一線を引いている。

瑛太捕手「まずはエスコンへ行きたい」

 練習試合で敗れたリベンジの舞台は整った。「練習試合ではピッチャーが序盤から捕まって、甘く入ったボールを全部長打にされた。基本、低めにしっかり投げて打ち取らせて、なんとか守備で抑えられたら。しっかり厳しいとこに割り切って攻めれるようにリードしたい。まずはエスコンへ行きたい」。2009年以来の4強入りへルーキー捕手がチームをけん引する。

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