遠軽・小野主将が選手宣誓「声援を体中に響かせて北の高校球児らしく」【北北海道大会開会式】
■全国高校野球選手権北北海道大会
▽第1日(7月13日、旭川スタルヒン球場)
開会式が行われ、6年ぶり29度目出場となる遠軽の小野泰雅主将(3年)が選手宣誓を行った。この日に予定されていた3試合は降雨によるグラウンドコンディション不良から14日に順延となった。順調に進めば17日に4強が出揃う。
「約0.5秒の瞬間の攻防。この一瞬で人生を変えられる」
小野主将が思いのこもった選手宣誓を堂々と行った。「プレーボールと共に鳴り響くサイレンの音。ボールを捉えたときの金属音。いいプレーが起きた時の割れんばかりの歓声。胸が高鳴る吹奏楽の演奏。ゲームセットと共に入り交じる、さまざまな感情。私たちは高校野球を愛しています。18.44メートルの間で繰り広げられる約0.5秒の瞬間の攻防。楽しいことばかりではなかった、長く苦しい3年間の積み重ねの答えを出す瞬間。この一瞬で人生を変えられる。ここに高校野球の面白さと残酷さがあります。この一瞬で奇跡を生むために私たちは3年間、真剣に野球と向き合ってきました。応援してくださるたくさんの仲間や家族、大勢の方々からの声援を体中に響かせて、北の高校球児らしく正々堂々と戦う事を誓います」。
春の全道は北海に延長戦で惜敗 「0.5秒前までは北海に勝っていた」
遠軽は、春季全道大会一回戦の北海戦で、延長十回の死闘を演じた。十回表に4点を奪ったが、その裏に2点を奪われ、さらに2死一、二塁から逆転3点本塁打で沈んだ。小野主将は「北海戦で自分たちはあらためて感じた。0.5秒前までは北海に勝っていて、0.5秒たった先には、ホームランで逆転されていた。そういう高校野球の残酷さ、面白さが込められている。そこが自分が高校野球で面白いところだと思っている。そこを伝えたかった。200点満点、ばっちりでした」と、自らの経験を元に言葉を紡いだ。
支部予選はエース左腕・葛西が2試合連続完投
この日に予定されていた旭川明成との一回戦は14日に順延となった。チームの中心は、春の北海戦で188球完投を果たしたエース左腕の葛西大心投手(3年)だ。夏の支部大会でも2試合連続完投で16イニング1失点。6年ぶりの北大会出場を勝ち取った。「遠軽高校として、78人の部員全員で戦えれば。支部では葛西に助けてもらってばっかりだった。全道では少しでも葛西を助けられるように。(旭川明成)千葉投手との投げ合いで勝って、北海道ナンバーワン左腕は葛西だと言われるような試合をやる。しっかり達成できるよう頑張ります」と、9年ぶりの北大会1勝へ向けて仕切り直しの一戦に臨む。