〝万波バズーカ〟炸裂 「方針が変わって、すごいやりやすくなりました」
■パ・リーグ15回戦 楽天3ー2日本ハム(7月13日、エスコンフィールド北海道)
同点の七回2死二塁で強肩披露 二走の生還を阻止
まるでバズーカだ。日本ハムの万波中正外野手(23)が13日、楽天戦に「2番・右翼」で先発フル出場し、同点の七回に守備で魅せた。状況は2死二塁。一打勝ち越しの場面で、自慢の強肩がさく裂した。
小深田の打球がゴロで一、二塁間を抜けると、素早く捕球して勢い良くバックホーム。二走・村林は三塁を蹴ったが、低い弾道の〝レーザービーム〟がノーバウンドで捕手・郡司のミットに飛び込み、補殺に成功した。
前進守備でアウト確信 「大丈夫かなと思いました」
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「無事、刺せたのは良かったです。(定位置よりも)すごい前にいたので、そこまでタイトなプレーという感じではなかったです。しっかりストライクを投げられたのが良かったんじゃないかなと思います」
ベンチからの指示は「(二走が三塁を)回ってきたら殺せる位置」だった。「回ってきたら絶対刺さないといけない場面」と、前進守備で準備は万端。「(送球の)ブレもほぼないなって感じでしたし、指のかかりも良かったので、大丈夫かなと思いました」と、投げた瞬間にアウトを確信した。
自他共に認める強肩 課題だったコントロール
入団時から肩の強さは群を抜いていたが、コントロールが課題だった。昨年は新庄監督の方針もあり、打球へのチャージを全速力で行っていた分、威力と引き換えに制球を乱す場面も散見された。
「去年はとにかくチャージして、(タイミングを)合わせないで突っ込んでそのまま投げるみたいな感じだった。それがすごい難しかったです」と振り返る。
天然芝の新球場が奏功 「やりやすくなりました」
今年に入り、本拠地が天然芝のエスコンフィールドに変わったことで、チームの方針も変化した。「今年は(本拠地が)天然芝になって、しっかりチャージはしますけど、最後は足を使って、なるべく投げやすい体勢というか、しっかり捕ってから投げるっていうふうに、ちょっと(チームの)方針が変わって、それですごいやりやすくなりました。もちろんチャージを緩めろということではないですけど、そのちょっとの違いで投げる体勢がつくれるので。去年の速い動きの中で(タイミングを)間に合わせようとする練習が、余裕がある時もすごい生きているんじゃないかなと思います。良い送球をするための捕球をしようというような意識です」。昨年の経験を存分に生かし、一段上のレベルに到達した。
清宮との1、2番は機能せず 勝利への貢献を誓う
肩でファンを盛り上げたが、チームは7連敗。自身も1点を追う九回2死三塁の好機で三振に倒れ、最後の打者となった。この日は2番に入り、1番の清宮と上位打線を形成したが、2人合わせて10打数1安打だった。
「楽天バッテリーの方が1個上手だった。チームがなかなか点を取れていない中で、ボスがいろいろ試行錯誤した打順だと思う。僕とキヨさん(清宮)が1、2番を打つということは、長打や得点につながるバッティングが期待されていると思うので、悔しいですね。実際それでチャンスも3回来ましたし、チームに対して申し訳なさがあります」と唇をかんだ。
守備が良くても、攻撃がダメなら喜べない。23歳の若き大砲は敗戦の責任を背負い込んだ。