【プレーバック】全国高校選手権北北海道大会1回戦 旭川明成4-2遠軽(7月14日、旭川スタルヒン)
左腕・千葉が9回完投、父の監督に初勝利プレゼント
旭川明成の千葉隆広投手(3年)が遠軽打線を九回2失点完投勝利。被安打10本も11奪三振の好投で、遠軽・葛西大心投手(3年)とのサウスポー対決を制し、2020年12月に就任した父・広規監督(46)の北大会初勝利をプレゼントした。
互いに譲らぬ投手戦、まずは四回に旭川明成が先制した。先頭の千葉が右前打で出塁すると、2死二塁から6番・植木玲陽遊撃手(3年)が左前に先制打。五回にも追加点を奪い主導権を握った。
遠軽の反撃は六回。先頭の9番・伊藤悠人中堅手(3年)がチームとして一回以来となる安打を放つと、1番・明戸魯偉一塁手(2年)が右中間へ二塁打。無死二塁の一打同点のチャンスだったが、2番・田井滉人二塁手(3年)の強烈な打球を旭川明成・千葉投手がキャッチして、すぐに三塁転送。併殺に終わりこの回無得点。
七回に遠軽の4番・小森結斗捕手(2年)が、左中間へ豪快な大会第1号本塁打。千葉投手から得点をもぎ取り、1点差に。勝負の行方は終盤戦の攻防へ向かった。
終盤、旭川明成が2点を追加し1-4で迎えた最終回に遠軽が最後の意地を見せた。1死から小森が二塁打、続く5番・吉野新汰三塁手(3年)の右前打で1死一、三塁。代打・寺村玲音(2年)の右犠邪飛で2点差に迫り、続く葛西の右中間二塁打で2死二、三塁の一打同点の好機。だが、代打・宮澤李佑(2年)が二ゴロに倒れゲームセット。旭川明成が2021年秋以来の8強入りを果たし、3季通じて初の4強へリーチをかけた。
■二回に先制打、八回にダメ押し打を放った旭川明成の植木玲陽遊撃手(3年)
「直球が多いと情報が入っていた。まっすぐ一本で振りにいこうって打ちました。(旭川北稜シニアから一緒の千葉隆広は)昔から絶対的な存在。隆広が打たれたら自分たちはしょうがないくらい。だからこそ、自分たちが点数を取って少しでも楽をさせようって思っている。明成の歴史を作る面でも次勝ってエスコンに行って、1日でも長くみんなで野球をやりたい」