野村 帯広で〝出直し弾〟「きっかけではなく、継続したい」
■イースタン・リーグ13回戦 巨人7ー12日本ハム(7月16日、帯広)
4番でフル出場 1本塁打含む3安打4打点
道東から、逆襲の一歩を踏み出した。日本ハムの野村佑希内野手(23)が16日、帯広で行われた2軍巨人戦に「4番・一塁」で先発出場。2点を追う一回の第1打席で、直江の直球を捉え同点2ランを放った。2点をリードした二回には2死満塁の好機で2点打をマーク。豪快な一発を含む計4打点の活躍で、早期の再昇格へ向けてアピールした。
不振のため14日に1軍登録を抹消され、急きょファームの北海道遠征に合流。15日に釧路で行われた試合は3打数無安打に終わったが、この日は豪快なスイングで、募るモヤモヤを振り払った。弾丸ライナーで左翼芝生席中段に運んだ一撃を「手応えは良かったです。完璧ですね」と淡々と振り返った。
開幕4番も不振で降格、スタメン落ち、2軍行き
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開幕を4番で迎えながら、不動の地位を築くことはできなかった。思うような成績を残せず、交流戦がスタートした5月下旬からは、その座を同期の万波に明け渡した。その後もなかなか状態は上向かず、スタメンを外れる試合も増えた。
新庄監督は奮起を促す意味を込めて、13日・楽天戦(エスコンフィールド北海道)で4番に起用。野村自身もラストチャンスと捉えていた一戦は、4打数無安打と本意ではない結果に終わった。
結果が全てのプロ野球 新庄監督「自分を見つめ直してもらう」
シーズン途中の2軍降格を、屈辱とは感じなかった。「『だろうな』と思いましたね。ここまで結果を残せていないですし、出場するポジションもなくなっていたので。僕自身(試合)途中から行けるような使い勝手の良い選手ではない。結果が出ないならベンチにいても仕方がない」と複雑な感情を、そっと胸の中にしまった。
新庄監督は野村の2軍行きを決めた夜、その理由を「自分を見つめ直してもらうため」と説明した。背番号5は「今年は何がダメで何が良くて、去年と何が違うのか…いろいろある。そんなに長く(2軍に)いるつもりはない。早く上がれるように頑張りたいけど、その中でもう一回見つめ直します。自分の中で整理して、次に上がった時に(打撃が)崩れないようにしたいなと思います」とボスの言葉の意味を、心の深い部分に刻み込んだ。
帯広のファンに宣言 「1軍であと10本打ちたい」
失意の中で飛び出した一発を〝出直し〟の号砲にしてみせる。この日の試合後、野村は「1軍であと10本打ちたいと思います」と帯広のファンを前に力強く宣言した。
「しっかり自分の軸となるスイングができれば1軍でも可能な数字。今年もそうだけど、いずれは20本、30本打てるようになりたいので、貪欲に狙います。きっかけという言葉は、これまでもたくさん言ってきた。(本塁打を)きっかけではなく、継続したいと思います」。近未来の主砲は試練を乗り越えて、前に進み続ける。