新庄政権ワースト9連敗 選手にハッパ「一皮むけてくれないと。もったいない!」
■パ・リーグ13回戦 日本ハム0ー2西武(7月16日、ベルーナドーム)
借金「14」で最下位 何より「野球を楽しくやってなさそう」
暗闇をさまよっている。トンネルの出口はなかなか見えてこない。日本ハムは16日、ベルーナドームで行われた西武戦で0封負けを喫した。新庄剛志監督(51)が就任して以来ワーストの9連敗。借金は「14」まで膨らみ、2カ月ぶりに最下位へ転落した。
球場名物の長い階段を重たい足取りで、上ってきた。「あー痛…きつ」と息を切らせ、新庄監督は報道陣の元に歩み寄ってきた。連敗の事実よりも、気になることがあった。「なんか、打たなきゃ打たなきゃと(考えすぎて)野球を楽しくやってなさそうじゃないですか? ね、心から。だからマイナスマイナスに入っている感じもする」。失敗を恐れ、プレーが窮屈になっているように映っていた。
試行錯誤も実らず無得点 0封負けは今季9度目
ベンチは流れを変えようと、手を尽くした。まずは先発オーダーを大胆にテコ入れ。15日の試合から5人、スタメンを入れ替えた。核を担う清宮、松本剛、万波を5~7番に配置。つながらない打線を機能させようとしたが、2試合連続無得点に終わり「いや、もうどれがいいか分からん。いろいろ試してみて。負けが込んでいたらね、動かさないといけないし…」と苦心していた。
裏目に出た石井のホーム突入 森本コーチ「僕の判断ミスです」
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勝負を懸けた選択は、裏目裏目に出る。2点を追った八回には、2死から途中出場の石井が中堅フェンス直撃の一打を放った。クッションボールがライト方向に転がる間に三塁を回り、本塁に突入も憤死した。生還できれば、ランニングホームランで1点差だったが、リスクも大きかった。
腕を回した三塁コーチャーの森本外野守備走塁コーチは「結果的にアウトになったので、僕の責任」と認めた上で「点差ももちろん分かっていましたし、石井の足を考えて。中継プレーも少し遠いところにいたので、勝負できるかなと思った。僕の判断ミスです」と続けた。
奮起を促す新庄監督 松本剛「必死にやっていくしかない」
歯車はかみ合わない。指揮官は若い選手たちにハッパをかけ、奮起を促した。「もったいない。これだけチャンスがあるチームは、なかかかないですよ。一皮むけてくれないと。もったいない! せっかくこの世界に…。固め打ちしてほしいですよね。こんなチャンス…歯がゆい、見ていて」
当然、選手はもがいている。選手会長の松本剛は悔しさを押し殺し「投手のおかげで競ることができている。野手が足を引っ張っているところがあるので、何とか先に点を取りたい。何とか一本、突破口になる一打が出れば。僕を含めてそれが出ていないので、必死にやっていくしかない」と決意を込めた。前半戦は残り1試合。しぶとく、粘り強く戦い、切実な願いを形にするしかない。