北海 昨年王者・札大谷を倒しV王手
■全国高校サッカー選手権道大会準決勝(23日、札幌厚別公園競技場)
準決勝2試合が行われ、北海が2―1で昨年王者の札大谷を撃破。2年ぶりの決勝進出を果たした。1カ月前にフォワードに転向した1トップの笹森洸成(3年)が前半22分、後半16分に連続ゴール。ボール支配率で圧倒されたが、相手のわずかな隙を見逃さずに勝利へつなげた。旭実は4―0で駒大苫小牧に大勝。2年連続で決勝へ駒を進めた。
一瞬のチャンスを確実に決めた。シュートわずか3本の北海が13本の札大谷を退け、2連覇の夢を打ち砕いた。
笹森は昨年の準決勝・札大谷戦で、右ウイングバック(WB)で先発も延長の末に敗れていた。「去年は自分のサイドからやられることが多かった。FWというポジションで勝利できた。雪辱できて良かった」と笑みを浮かべた。
9月上旬の札幌支部終了後に左WBからFWに転向。180センチの長身とチーム一の快足を買われた。「ボールが来る前の予備動作だったり、予測してサイドに流れるとか。常に集中して80分間やるようにしている」。与えられたポジションで能力を発揮している。
2年をかけ、強豪校の主力へと上り詰めた。登別緑陽中から「環境も良くて実績も伝統もある」と北海に入学した。30人近くいた同期のほとんどが中学時代にクラブチームやJ1北海道コンサドーレ札幌の下部組織でプレーしてきた実力者ばかりだった。
「同じ学年では一番下の実力。レベルが高いと思って練習の量を増やした」。入学当初は3軍で試合に出られなかった。努力を重ね、2軍↓1軍と“出世”。去年のシーズン半ばからレギュラーポジションを勝ち取った。
2年ぶりの全国まであと1勝。「全然、満足していない。今の自分の力を100%を出す。得点を決めてチームの勝利に貢献したい」。勢いに乗る点取り屋が11度目の頂点へとチームを導く。
(西川薫)