6年ぶり10連敗も前を向く新庄監督「いい戦いをできるチームになったということは間違いない」
■パ・リーグ14回戦 日本ハム2ー7西武(7月17日、ベルーナドーム)
35勝50敗の最下位で前半戦終了 それでも新庄監督に悲壮感なし
いばらの道が続く。日本ハムは17日、ベルーナドームで行われた西武戦に敗れ、2017年以来6年ぶりの10連敗を喫した。総力戦で挑んでも風向きを変えられず、借金「15」のパ・リーグ最下位で前半戦を終えた。
試合後、新庄剛志監督(51)の顔に悲壮感はなかった。選手の奮起を信じ「交流戦とか、いい戦いをできるチームになったということは間違いないから。後半もね、あの戦いが必ずできるから」と訴えた。
マルティネスの先制2ランで士気は上がったはずだったが…
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のどから手が出るほど、1つの白星を欲していた。一回、3番に入ったマルティネスの2ランで先制。逆襲ののろしは上がった。25イニングぶりの得点が生まれ、ベンチは活気づいた。
執念の迷いなき采配 清宮にも代打を送った
だが、思惑通りに試合は進まない。2軍調整を経て1軍に戻ってきた先発の鈴木が二回につかまった。4連打を食らって2点を失い、四球を与えて無死満塁。新庄監督はたまらず、動いた。6勝を上げているサブマリンを1回3分の0であきらめ、継投に転じた。
2点を追う五回の攻撃では、1死一、二塁で清宮に代打を出した。西武先発・隅田の変化球に翻弄され、2三振を喫していた。「なんかタイミングが全然だったでしょ。もう、全然振れていないから、これちょっと早めに代えておこうと思った」。目の前の勝負に執着し、非情にも映る手を打った。
すべては期待の裏返し 清宮の鈴木の奮起促す
もちろん、一層の成長を促す意図もあった。ベンチに下がり、懸命に声を出す清宮の姿を見ており「ああいう刺激があれば、また後半戦がスタートして、代えられないためにしっかりとした(姿勢で臨んでくれる)。そういう考えもあったから」と打ち明けた。
先発で結果を残せなかった鈴木については「ちょっと、ここ何カ月か良くないから、1回ちょっと下(2軍)に行かせて」と登録抹消を決断した。真っすぐの球速が落ちていることを課題として挙げ「ガンガン、スピード(にこだわって)、135、6キロぐらいを投げるフォームに仕上げてほしい」と注文を付けた。
決して諦めない 「成長させながら、期待しながらね」
今はどん底でも決して諦めていない。就任以来、進めてきた強化策が間違っていないと確信している。「まだチャンスはあるんでね。クライマックス(シリーズ)に入り込んで、そっから一気にいける―。若い力のある選手たちがいっぱいいるから。成長させながら、期待しながらね」と言葉をつないだ。球宴ブレークを挟んで、22日からリーグ戦が再開。残り58試合で真価が問われる。