《岩本勉のガン流F論》相手が嫌がる攻撃こそが現ファイターズの持ち味ではないか
■パ・リーグ14回戦 日本ハム2ー7西武(7月17日、ベルーナドーム)
選手個人の工夫が必要 自分のスタイルを曲げてでも
前半戦を象徴するかのような試合展開だった。顕著だったのが2―5の七回。無死満塁と好機をつくった。まだ3点差。西武の投手陣を捉えるチャンスだった。ところが1番の万波、続く加藤豪、マルティネスと凡退。反撃ムードは一気にしぼんだ。
ベンチからのサインがなくとも、選手個人が工夫することで、攻略のきっかけをつかむことができる。その意志を感じなかった。持ち味を発揮するという選手が持つ根本の策とは別に、自分のスタイルを曲げてでも傾向と対策に応じて攻め手を変える。それが時には必要だ。
求められる気付きと行動 「やっぱり連敗中」で終わらせてはいけない
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昨年、チームは、新庄監督は、勝率を削ってでも、その工夫を選手に教え込んだ。相手が嫌がる攻撃こそが現ファイターズの持ち味ではないか。気付きと行動。それが今、個人に求められている。「やっぱり連敗中のチーム。何をやってもうまくいかない」。そんな残念な言葉で終わらせてはいけない。
先発投手にとって最も難しい二回 鈴木はすべてを糧に
鈴木は、先発投手の奥深さを再認識したはずだ。立ち上がりの難しさ。それは二回のイニングにこそ、当てはまる。スタートは誰でも緊張感を持って臨めるだろう。その初回を3者凡退に抑え、ベンチに戻って息をつく。二回は自らが気持ちを高め、奮い立たせなければいけない。
課題は明白だ。ボールを操る前に体を操る。体を操る前に心を操る。それができて初めて、先発投手はドラマを起こすことができる。まだまだこれから。すべてを糧にしてもらいたい。
無駄にはできないオールスター期間 ミニキャンプを提案
前半戦は終了した。後半戦向け、オールスター期間を無駄にしてはいけない。ただ落ち込んで過ごすのか。新たな策を講じるための練習に費やすのか。そこで私は提案したい。おのおのがミニキャンプを実施してはどうか。
私も経験していることだが、この期間、めちゃめちゃ走り込んだものだ。球宴に出場した年は、練習中に外野で黙々とランニングした。すると、後半戦のマウンドに立った時、驚くほど体の軽さを実感できた。
ただのリフレッシュでは成績、勝率は上がらない
走り込むのか、打ち込むのか。太陽と、うまく付き合いながら、実のある時間を過ごしてもらいたい。オールスターブレイクをただのリフレッシュ期間とするだけでは、成績は、チームの勝率は上がってこない。