高校野球
2023/07/18 21:15

北海エース・岡田彗斗が快投乱麻! 5回⅔無失点8奪三振【南北海道大会】

三回途中から登板し、無失点と好投した北海エース・岡田(撮影・大島拓人)

■全国高校野球選手権南北海道大会第3日(7月18日、札幌円山球場)
▽1回戦 北海8-1函館中部※八回コールド

エースの好投に打線も応えた

 エースたる所以をまざまざと見せつけた。北海の2番手としてマウンドに上がった岡田彗斗投手(3年)が5回⅔1安打無失点の投球を見せると、打線も応えた。主将を務める今北孝晟二塁手(3年)、4番の熊谷陽輝一塁手(3年)の連続本塁打など、終盤で大量得点を挙げて、粘る函館中部を一気に突き放した。目標の春夏優勝へ、まずは幸先のいいスタートを切った。

2番手で三回のピンチから登板 八回まで毎回奪三振 被安打わずか1

 伸びのある直球が、捕手のミットに次々と突き刺さった。1-1の三回1死一、二塁のピンチで先発の熊谷からバトンを受けた。先制を許し、追いついた直後の守り。勝ち越されると、流れが相手に傾く場面だったが、見逃し三振と投ゴロに仕留め、難なく切り抜けた。その後もテンポのいい投球を続け、八回まで毎回の8奪三振。被安打はわずかに1本と、勝ち越しを狙う函館中部に付け入る隙を与えなかった。

「真っすぐで押せていて、スライダーもキレていた」

 「焦らずに淡々と冷静にいけるように意識しました。真っすぐで押せていて、スライダーもキレていたので、織り交ぜながら投球ができた」と振り返った。流れが拮抗している中での登板。テンポ良く「0」を並べていくことがエースの〝使命〟だった。「こういう苦しい展開もいっぱいあったので、絶対後半に(点を)取ってくれるだろうという確信があった」と仲間を信頼し、自らの仕事を果たすことに集中した。

下半身から体全体の連動意識

 エースの風格漂う堂々たる投球。最速147キロの直球だが、最大の特長は球速よりも約2300回転(1分あたり)を誇る球質にある。バッテリーを組む大石広那捕手(こうだ、2年)は「真っすぐの伸び、キレがあるので、多少甘く入っても打たれない。詰まるか空振り」と絶賛する。以前までは肩肘に頼って投球することが多かったが、下半身から体全体の連動を意識したことで球質は改善されたという。岡田もこの日は「空振りを取れる真っすぐだったので、いい真っすぐだった」と手応えを感じていた。
 

三回途中から登板し、無失点と好投した北海エース・岡田

 
 背番号1を付けて挑んだ春の経験が大きかった。全道大会では自身公式戦初の完封勝利を記録。「そこで自覚が出てきた。2年生まではなかなか登板する機会がなくて、通用するピッチャーではなかったんですけど、3年生になって主軸として戦っていける」とエースの自覚は十分。「まずは目の前の試合を」。先を見ることなく、一つずつ勝った先に栄光がある。

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