フレッシュ球宴終了後、奈良間が開口一番に「悔しいです」と言ったのには理由があった。同期との約束を果たせなかったからだ。「金村と『ＭＶＰを獲って、賞金で同期Ｔシャツをつくる』っていう話をしていたんです」。「２番・二塁」で先発し、「プロに入って初めて、ホームランを狙いました」と豪快なスイングを繰り出したが、結果は２打数無安打。「ホームラン打ちたかったなって感じです。金村からマジで獲ってこいよって言われていたんですけど…」と肩を落とした。

　結果こそ出なかったが、存在感は十分に示していた。練習中から普段通り大きな声を出し、他チームの選手にも「気合い入れていこーぜ」と明るく話しかけ、チームを盛り上げた。試合では交代後に立候補して一塁コーチャーを務め、守備から戻ってくる味方を一番前で出迎えるなど、猛暑にも負けず〝らしさ全開〟だった。グラウンドに立てばいつでも元気いっぱいの背番号５８が、後半戦の起爆剤になってくれそうな気がする。