コンサドーレ
2023/07/27 11:30

《元赤黒戦士の現在地・山橋貴史監督》天皇杯で敗れた札幌には優勝まで勝ち上がってほしい ヴェルスパ大分編

1997年から2年間札幌でプレーし、現在はヴェルスパ大分を指揮する山橋監督(撮影・工藤友揮)

 7月12日に行われた天皇杯3回戦で北海道コンサドーレ札幌が対戦したのはJFL・ヴェルスパ大分。結果は札幌が5-2で勝利したが、ヴェルスパは後半15分に挙げた得点で1点差に迫ると、猛攻を見せた後半の45分間では札幌の7本を上回る8本のシュートを放ってゴールを脅かし、JFLのチームながらその実力を印象づけた。そんなヴェルスパを指揮していたのは山橋貴史監督(51)だ。札幌市出身で、1997年から2年間札幌でプレーしたクラブのOBでもある。今回は大分の地でJリーグ昇格を目指して奮闘する札幌OBを紹介する。(以下、敬称略)

「僕も負けず嫌いなので、非常に悔しい」

 札幌との熱闘を終えた山橋は、試合後の会見で「勝負事となったときには僕も負けず嫌いなので、非常に悔しいです」と口にした。そして、勝利した古巣について「コンサドーレは地元なので応援しているクラブ。結果が出てしまったので、ぜひ優勝するぐらいまで勝ち上がってほしい」とエールを送った。

 山橋は現役引退後、日本サッカー協会のスタッフとして主に世代別代表チームを担当した。2009年にはアシスタントコーチとしてU-17W杯に挑む日本代表に帯同した。

21年にV大分監督就任

 ヴェルスパの監督に就任したのは21年のことだった。コロナの影響で20年のJFLは半分(1回戦総当たり)のシーズンで行われ、そこで初優勝。「そのときに監督をやられていた須藤茂光さん(67、三笠市出身)とは、日本サッカー協会で一緒に長いこと仕事をしていたけど、都合があって監督を退かれることになり『引き継いでくれないか』とお話をいただいて。僕自身も大人のカテゴリーの現場で監督をやりたい気持ちがあったので、引き継がせてもらったところから始まりました」。

 目指しているのは攻撃的なサッカーだ。「クラブとしての方針が『攻撃でしっかりボールを大事にしながら組み立てていく』スタイルで、僕自身もそういうサッカーを目指していきたいのがあったので、これまで3年間はその質をどんどん高めるところをやってきました。成果としては、少しずつですけど上がってきていると思っています」。

大分トリニータ戦で指揮を執る山橋監督


1位と勝ち点9差9位(7月22日時点)

 就任初年度の21年はJFL3位。J3ライセンスが初めて交付された昨年は8位。そして今シーズンは16試合を消化した7月22日時点で勝ち点21の9位につけている。「最近はなかなか勝ち点3が取れてなくて、ちょっと苦しんでいる状況ではあるけど試合内容は悪くない。ただ、攻撃のゴール前であるとか、守備の自分たちのゴール前、サッカーで一番大事な両方のゴール前のところでプレーの質に課題がある」と、全28試合で行われるシーズンを折り返した時点での自チームを評する。

 7月22日時点で、J3へ自動昇格する1位まで勝ち点9差、入れ替え戦を戦うこととなる2位まで勝ち点5差。9位とはいえ十分に射程圏内に入っている。残る後半戦に向けて「守備はゴール前でもっと強固に守り切るところを上げていくこと。あとはチャンスはかなり多くつくれているので、それを決めきるためにゴール前の質を高める。攻撃と守備両方のゴール前のプレーの質を高めることで勝ち点を積み上げられると思っているので、そこの質を上げていきたい」と、目標であるJリーグ昇格を目指す。

後半は、札幌移籍時秘話

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