レバンガ北海道が新シーズンへ始動 寺園&関野がチーム初のダブル主将
東海大同期コンビが大役 スローガンは「ハードワーク」に決定
B1レバンガ北海道が7月19日、2023-24シーズンへ向けて札幌市内で始動した。昨季は東地区7位。新シーズンへ向け、チーム初となるダブルキャプテン制を採用。加入3年目のPG寺園脩斗(29)と、5季ぶりに復帰した道産子のSG/SF関野剛平(28)の東海大同期コンビが大役を務める。またスローガンは「ハードワーク」に決定。昨季まで在籍したPG橋本竜馬(35)、PF/Cショーン・ロング(30)ら6人が退団し、特別指定を含む関野ら4人が新加入。10月のシーズン開幕へ向けて、準備を整えていく。
この日は現役ラストイヤーとなるSF桜井良太(40)ら日本人選手7人で始動した。約30分のミーティング後、入念にアップを行い、ボールを使って動きを確かめた。22-23シーズン途中にACからHC代行を務め、今季から正式にHCに就任した小野寺龍太郎氏(41)が初めて開幕から指揮を執る。スローガンについては「チームの勤勉さ、一生懸命さを表現するのにハードワークという言葉にさせていただいた」と説明した。
タイプの違ったリーダーシップ
小野寺HCは、ダブルキャプテン制の採用に関し「2人ともタイプの違ったリーダーシップを兼ね備えている選手。寺園選手に関しては、昨季から(退団した)橋本とともにリーダーシップの一角を担ってもらっていた。プレーで体現するリーダーシップを持っていて継続したかった。関野選手には、寺園選手と同級生でもあるので、チームを引っ張っていく役割を担ってもらおうと」と、2人の関係性に期待を込めての指名理由だという。
オフはNBA指導者の下で武者修行した寺園
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寺園はこのオフ、バスケットボールの本場で腕を磨いてきた。約10日間、カリフォルニア州ロサンゼルスで武者修行。「昨日、アメリカから帰ってきて、時差ボケがある中だったんですけど、それなりにパフォーマンスはできたかな。クリスジョンソンっていうレブロンジェームズとか名だたるNBAプレーヤーを教えている人のところにスキルを習いに行っていた。あと、ダレンコリソンっていう元NBAのレイカーズでガードをやっていた人の所で、戦術的なガードのプレーを学んできました」。この飽くなき向上心がチームに好影響を与えるはずだ。
学んだのは技術だけではない。「アメリカに行ったからって、すぐにうまくなるわけではないけど、実際にNBA選手の練習を見て、強度も違いますし、ドリブルの強さ、練習に取り組む姿勢が日本人とは全く違った。まだまだ練習が足りないし、日本とアメリカの差っていうのはそこにあるんだろうなっていうのを改めて気づかされた。本当に行って良かった」と充実の日々を振り返った。
「ハードワークは本当に僕が体現できること」
寺園は三遠でも主将を経験。「正直、もうキャプテンはいいかなと思っていた」という。ただ、「2年間、(橋本)竜馬さんとプレーして、龍さん(小野寺HC)からもやってほしいとお願いされた。そこで、自分しかいないなと引き受けることにした」と、2人の存在が大きく影響したようだ。「僕には僕なりのキャプテンシーっていうのがある。今年のチームのスローガンであるハードワークは、本当に僕が体現できることだと思ってるので、率先してみんなに見せながら、チームを引っ張っていけたら」。チームの大黒柱として、背中で示していく。
5季ぶり復帰の関野 「リーダーシップをもっと発揮してやっていきたい」
関野は5季ぶりに地元に帰って来て早々にキャリア初の主将に抜てきされた。「キャラでもなかったんで。自由に生きてきたタイプ。基本的には人前で話すのは多分、(寺園)脩斗だと思う。副キャプテンみたいな形でいようとは思っている。でもキャプテンなので、リーダーシップをもっと発揮してやっていきたい」と意欲を見せる。
寺園とは東海大以来、7シーズンぶりに同じユニホームに袖を通す。「相変わらず、いい意味でうるさいですね。キャプテンが似合っている。リーグの中でも一番か、二番目にバスケが好きな選手。その熱さは感じられた」。懐かしさと同時に、同級生ならではの信頼感があるようだ。
昨季は目標を下方修正し 何とかB1残留
昨季はCS出場を目標としながら、成績低迷によりシーズン半ばにして目標をB1残留に下方修正。小野寺ACが指揮を執り、チームは何とか残留を果たすことができた。小野寺HCは「今までいろんな目標をクラブが設定してきた中で、毎シーズンそこに届くことができていない現状。責任を感じています」。ブースターの期待に応え切れていないことに忸怩たる思いでいる。
小野寺HC「今年のチームは違うぞ、というところ見せたい」
シーズンの前哨戦はもうあと1カ月半後だ。開幕前の9月9日、10日に札幌・北海きたえーるでB1中地区のファイティングイーグルス名古屋とプレシーズンゲームを戦う。指揮官は「目の前の試合を1つ1つクリアしていきながら、今年のチームは違うぞ、っていうところを毎試合見せていきたいですし、それがCSだったり、その先につながっていく」。シーズンは60試合の長丁場。初めから届きもしない大きな目標をぶち上げる必要はない。スローガン同様、泥臭く、コートに這いつくばることもいとわず、前評判を覆して下克上を狙う。