駒大苫小牧 16年ぶりの夏甲子園へ4強進出 遊撃・藤森&二塁・藤橋の「藤藤コンビ」が攻守けん引【南北海道大会】
■全国高校野球選手権南北海道大会第4日(7月19日、札幌円山球場)
▽準々決勝 駒大苫小牧7-2札幌光星
2019年以来4年ぶり準決勝進出
「藤藤コンビ」がエスコンを席巻する―。駒大苫小牧が札幌光星を下し、2019年以来4年ぶりの準決勝進出を決めた。細かい継投で逃げ切った投手陣を支えたのは、藤森一冴遊撃手(いっさ、3年)と藤橋陸有二塁手(りう、3年)を中心とした守備だ。打順も1、2番を組む二遊間コンビが、チームの下地を支えている。
一、二回のピンチでダブルプレー
膠着した展開の中で、リズムをつくるのは落ち着いた守備だ。一、二回と走者を許す展開だったが、いずれも6-4-3の併殺を完成させ、ピンチを切り抜けた。藤森は「常に緊張感のある中で練習してきたので、いつも通りやればいいっていう話はずっとしていました。そういう意識が結果につながりました」と胸を張った。17日の北照戦でも二遊間での併殺を2個完成させるなど、守備からリズムを構築している。
藤橋は夏から人生初の二塁手へコンバート
藤森の〝相棒〟となるのは、今夏から二塁を守っている藤橋。背番号「5」を付ける藤橋は春までは三塁を守っていたが、佐々木孝介監督(36)から指名されて人生初の二塁に挑戦している。八回に失策を犯すなど「見え方も距離感も違う」と不慣れな部分もあるが、「楽しみたいのが一番なので、もうちょっと堂々と守りたい」と前を向く。センターラインを全うするために、個人練習の時間のほとんどを守備練習に費やすなど、奮闘している。
春の敗戦から反省し コミュニケーションを重視
その二遊間を中心としたコンビネーションは、試合の中でも大事な要素となる。藤橋は「一冴(藤森)とは1球ごとに話しています」と試合中の会話は欠かさない。藤森も内外野問わず、常に周囲へと声を掛けている。春季全道大会1回戦の立命館慶祥戦。10-6で迎えた八回の守備で中堅との間に上がった打球が、ポトリと落ちてしまった。一見、仕方のないプレーにも見えたが、ワンプレーの緩みは命取りになる。藤森は「そういう会話ができていなかった。そこから逆転につながってしまったので、最後の1球を捕るまではしっかりと集中してやる」と心に誓った。
エスコンの天然芝も「いつも通り足を動かしてやれれば」
準決勝の舞台は「エスコンフィールド北海道」となる。天然芝への対応が肝になりそうだ。駒大苫小牧は南北海道大会前に、内野天然芝が張ってある夕張サングリンスタジアムで練習を行った。二遊間コンビは「いつも通り足を動かしてやれれば」と声を揃える。環境の変化を意識しすぎることなく、普段通りのプレーに徹する。
攻撃面でも2人は打線を活性化させる役割を担う。切り込み隊長の藤森は、2安打1四球と3出塁。2番の藤橋も、2つの犠打に1安打と上位打線の働きを見せた。攻守両面で鍵を握る「藤藤コンビ」が、2007年以来となる夏の聖地へチームを引っ張っていく。