■オールスター第１戦　全パ８－１全セ（７月１９日、バンテリンドームナゴヤ）

先頭に被弾も後続をピシャリ　忘れられない誕生日

　「マイナビオールスターゲーム２０２３」に監督選抜選手として初選出された日本ハムの田中正義投手（２９）が１９日、七回から７番手でマウンドへ。バースデー登板を果たし、大舞台で最高のスマイルが輝いた。

　２９歳の抱負は「笑顔が多い１年にしたいです」。その言葉の通り、マウンドに立った田中正の口元は緩んでいた。先頭・宮崎に右越えソロを浴びたが、後続をすべて中飛に打ち取り、１回を投げて１失点。「すごく楽しく、けがなく終えて良かったです」と気持ち良さそうに汗を拭った。

日本ハムに加入し才能開花　目標の球宴出場を勝ち取った

　今年１月にソフトバンクから加入し、新天地で才能が開花。プロ７年目で待望のプロ初勝利を挙げ、４月中旬からクローザーを担う。５月から目標に掲げていたオールスター出場を果たし、「前半戦、頑張ったご褒美をいただけて感謝しています」と、かみしめる。

佐々木朗希、山本由伸に〝急接近〟　積極的にコミュニケーション

　球界を代表する選手と交流できるチャンス。試合前から積極的にコミュニケーションを図った。写真撮影ではロッテの佐々木朗と隣同士となり、「フォークを教えて」とお願い。早速、練習中に握りをレクチャーしてもらい「ものにできそう？　ちょっとノーコメントで。そういうふうに投げているのかなと想像して見ていた通りですね」と不敵な笑みを浮かべた。

　ロッカーではオリックスの山本とも会話を交わした。「球種の話とか、どういうふうに投げているかというとこですね。僕も少しでも近づけるように頑張りたい」と決意を新たにした。

念願叶えた剛腕　さらなる飛躍へエネルギー注入

　「まさか僕がオールスターのマウンドに立てるとは思ってなかった。来年はもっと押しも押されもせぬ選手になって、戻ってきたいなと思います」。笑顔があふれる１年を過ごし、田中正が再び夢舞台に立つ。