4強唯一の公立校・士別翔雲 池澤ツインズ弟・巴琉「田舎の高校からでも甲子園行けるところを見せたい」【北北海道大会】
22日、旭川明成と準決勝
全国高校野球選手権の北北海道大会準決勝が22日、北広島市のエスコンフィールド北海道で初開催される。南北通じて4強唯一の公立校・士別翔雲は旭川明成と対戦する。チームの得点源、1番・池澤巴琉遊撃手と3番・池澤琉生捕手の2年生ツインズが名寄支部悲願の甲子園へリーチをかける。
1番・巴琉が出塁し3番・琉生が返す
快進撃を続ける士別翔雲は、弟・巴琉が出塁し兄・琉生がホームに返す得意の得点パターンで勝ち上がってきた。北大会2試合通算で、1番・巴琉が6安打4打点、3番・琉生が5安打2打点とチームのヒットメーカー。巴琉が「ホームランの数も飛距離とかは自分より優れてる」と兄を評価すれば、琉生は「自分、内野とかすごい下手で、内野をやっている守備力はすごい」と互いに認め合うツインズが大一番に臨む。
相手エースは中学時代の先輩
春先の練習試合では、旭川明成のエース・千葉隆広投手(3年)の前に2人とも無安打に終わった。切り込み隊長の巴琉は「全然打てなくて、チーム全体でも悔しい思いをした。その残像を頭の中で思い出して練習で打ちました」。リベンジのイメージはできあがっている。
旭川明成の千葉投手は、中学硬式の旭川北稜リトルシニアの1学年先輩。巴琉は「コントロールが元々良かったけど、さらに磨きをかけている。スライダーのキレとかコントロールもいいですし、チェンジアップと腕の振りが同じ感じ。それをどう対策して、どう打ち崩していくかが、試合の鍵になる」。また、旭川明成は千葉を含めスタメン9人中5人が同シニアの先輩。琉生は扇の要として「全く知らない人とかよりも少しでも知ってる方が、そこはイメージがつきやすい」と投手陣をリードする。
私立に行かず、あえて長男を追い士別翔雲に進学
チームの先輩の多くが旭川明成に進む中、2人は5つ上で士別翔雲で4番を打っていた長男・巧太(22、星槎道都大)と同じ進路を選択した。巴琉は「私立に行って勝つより、田舎の小さい高校からでも甲子園行けるってところを地域の人にも見せたいと思うし、それで勝った方が気持ちがいい」。準決勝には町の有志がバス2台でエスコンFに応援に駆けつける予定。高校野球マンガを彷彿とさせる下克上ストーリーを成し遂げ、エスコン初代王者に王手をかける。