クラークが初の春夏甲子園へ王手 1番・鈴木凰介が同点打&ダメ押し打【北北海道大会】
■全国高校野球選手権北北海道大会第5日(7月22日、エスコンフィールド北海道)
▽準決勝 クラーク7-5白樺(延長十回タイブレーク)
春夏連続甲子園に王手
クラークが今大会初のタイブレークの末に白樺を下し、初の春夏連続甲子園出場に王手をかけた。十回無死一、二塁から2犠打に失策が絡み2点を奪い、なおも1死満塁から1番・鈴木凰介三塁手(2年)がダメ押しの中越え2点二塁打。鈴木は1点ビハインドの六回にも同点打。23年の選抜甲子園1回戦・沖縄尚学戦で急遽スタメンに抜擢され3安打1打点とチャンスをつかんだ出世頭が、勝負どころで強さを発揮した。
「せめて外野フライという気持ちで打席に」
春の大会から不動の1番に座る鈴木が自慢の打力を発揮した。十回に2点を勝ち越し、押せ押せムードの中で打席を迎えると、白樺・西村昴浩投手(3年)の甘く入ってきた初球スライダーを迷いなくフルスイング。打球は中堅手のグラブの先をかすめ2者が生還し試合を決定づけた。「1、2打席目にまっすぐを狙ってるのが多分バレていた。ずっと変化球攻めされて対応しきれなかった。この打席は変化球に張って、せめて外野フライという気持ちで打席に立ちました。越えたのはちょっとびっくりしました」と、はにかんだ。
相手は最速149キロの道内最速右腕。「真っ直ぐもとても早くて、スライダーが今まで見たことないぐらいのキレと曲がり幅だったので、対応するのがかなり難しかった」。一回の第1打席から緩急の効いた膝下に決まるスライダーに2打席連続三振。佐々木啓司監督(67)から「そのボールは捨てて、浮いてきたベルトラインのボールを逆方向へ」と指示を受け、六回に同点打、そして十回のダメ押し打に繋げた。
九回には春以来の三塁守備
十回の守備ではユーティリティプレーヤーとしての本領を発揮した。九回に左翼から三塁に。春の大会以来の内野守備で練習ではノックにも入っていなかったが、内野用グラブはベンチに持ち込んでいた。十回1死満塁の緊張の場面で初めてボールが飛んできたが、しっかり本塁補殺。「かなり危なかった。ボールをあまり握れてなかった」と胸をなで下ろした。
選抜甲子園で急遽スタメン抜擢
今春の選抜甲子園1回戦の沖縄尚学戦では、負傷した3年生に代わって「6番・左翼」でスタメン出場し3安打1打点の固め打ち。「元々自分に自信が持てないタイプだった。甲子園のヒットで自分に自信を持てるようになりました。そわそわしていない。前はガチガチだった。いい緊張感でできている」。下級生ながら堂々としたプレーでクラーク打線の先陣を務める。
勝負弱さを克服した。2回戦の帯広農業戦では最大6点のビハインドを劇的逆転で勝ち上がってきた。鈴木は「今まではこういう試合、最終的には負けてしまっていた。春の札幌大谷戦とかも、こういう流れで最終的に負けてしまったのでチーム全員わかっていた。粘り強い野球っていうのもできた」とチームの成長を感じている。
「まず明日は打ち勝てるように頑張りたい」
2019年以来の決勝戦(20年独自大会を除く)。クラークとしては初、北大会では08年駒大岩見沢以来となる春夏連続甲子園出場へあと1勝。鈴木は「3年生とも最後の大会なので、甲子園に行って監督さんの3元号勝利や甲子園初勝利に向けて、まず明日は打ち勝てるように頑張りたい」。16年の初出場以来2度目となる灼熱の甲子園へ乗り込む準備は万全だ。