北海道栄19年ぶり決勝進出 チーム一丸でタイブレーク制した【南北海道大会】
■全国高校野球選手権南北海道大会第5日(7月24日、エスコンフィールド北海道)
▽準決勝 北海道栄6-2札幌日大高※延長十回タイブレーク
延長十回、3番・新木が決勝の3点打
チーム一丸で甲子園に王手を掛けた。投げては2番手で登板した山崎晄投手(3年)が2回⅔無失点の好救援を見せ、打っては3番を務める新木祥生左翼手(3年)が延長十回に決勝の3点適時三塁打をマークした。タイブレークに及ぶ熱戦を制しての決勝進出。糸瀬直輝監督(48)は「チーム一丸となってやってきたことが夏につながった」と選手の粘り強さを称えた。
最後まで選手たちに焦りは見られなかった。4点リードの延長十回裏2死満塁、強烈な打球が左翼を襲った。決勝打を放った新木が好捕し19年ぶりの決勝進出を決めた。一進一退の攻防を繰り広げた末につかんだ白星。山崎は「めっちゃうれしかったです。最後は全部出しました」と白い歯を見せた。
春季大会前の練習試合で大敗
〝リベンジ〟に燃えていた。札幌日大高には春季大会前の練習試合で大敗していた。春季全道大会で準優勝の結果を残したが、神野航汰主将(3年)が「強い相手。立ち向かうしかない」と挑戦者の気持ちで立ち向かった。1点を争う競り合いの中、最後はチーム全員で押し切った。
バントで得点積み重ね、投手陣が要所を締めた
一回にスクイズ、四回には3バントスクイズを敢行(記録は内野安打)し、文字通り泥臭く得点を積み重ねた。先発の石蔵斗暉投手(3年)、バトンを受けた山崎もピンチの連続だったが、女房役の高村陽亮捕手(2年)と息を合わせて要所を締めた。延長十回1死満塁の際にも山崎は高村から「自分のピッチングを」と背中を押され、エースは全力で腕を振った。
春季全道決勝と同じ顔合わせ
春季全道大会は決勝で北海に敗れ、準優勝に終わった。頂点まであと一歩及ばなかったことから、「1点」を強く意識しながら打撃練習や守備練習に取り組み、夏の大会前にはタイブレークを想定した練習を何度も繰り返した。しっかりした備えがあったことで、選手たちは動じることなく地に足を付けたプレーを見せた。
春と同じ展開にはさせない
そして甲子園を争う相手は、奇しくもその北海に決まった。試合を決める一打を放った新木は、北海の今北孝晟主将(3年)と同じ札幌西シニア出身。大会前には「絶対に決勝でやろう」と誓い合っており、お互いに駒を進めてきた。新木は「中学の時は上を行く存在だった。今は競う立場」と闘志は全開。春は2-13で大敗したが、同じ展開にはさせない。糸瀬監督は「思う存分、エスコンフィールドを楽しんで、最後には勝利したい」と選手たちの躍動を願った。1975年以来となる夏の甲子園へ、あと一つだ。