ＦＷ中島と同じくシーズン途中での移籍が発表されたＧＫ具聖潤

　ＧＫ具聖潤が京都サンガＦＣに期限付き移籍することになった。名古屋グランパスに行ったＦＷ中島に続くシーズン途中での移籍。同じカテゴリー内での移籍ということでも中島と一緒だ。具聖潤がいなくなるとやはり寂しくなる。身長も大きいし、やっぱり存在感がある。チーム内でもムードメーカーであったと思う。

ポジション争いをしながらも、試合に出るＧＫは「自分たちの代表」と認識

　出場機会を求めてチームを移るというのは、選手にとって常に選択肢にある。とくにＧＫは特殊なポジションで、試合に出場できるのが一人と限られている。他のポジション争いとは違い、気概は想像を超えるものがある。メンタル的にも相当厳しいはず。そしてＧＫはフィールドプレーヤーと異なり、チーム内では一緒にハードなトレーニングをするので、自然とＧＫのグループとして一体感も生まれてくる。ポジション争いをしながらも、ゲームでゴールマウスを守っているのは「自分たちの代表」という複雑な心境となるのだ。

ＧＫ菅野は控えとしても見本だった

　そういう中で今季はＧＫ菅野がゴールマウスを守り、レギュラーを張ってきた。菅野のパフォーマンスは韓国代表歴のある具聖潤を上回るものだった。ベンチを温めたこともあった菅野は、プロとしてしっかり仕事をして控えＧＫの見本にもなった。どのポジションでもそうだが、ＧＫはゲームに出て経験を積むことがとくに重要である。

新たに道を切り拓くことを祈っている

　具聖潤は経験のあるＧＫだが、実戦から離れると彼ほどのキャリアでもゲーム勘は著しく鈍っていく。京都に行ったからといってすぐにゲームに出られるとは限らないが、環境を変えることでフレッシュな気持ちでまた勝負できる。京都は３人の外国人ＧＫ体制になるという。一体感よりも、少しエゴを出せたりして面白いのでは。新たに道を切り拓くことを祈っている。そして具聖潤の挑戦を退けた菅野のメンタルの強さも素晴らしい。

札幌もいつかは世界のビッグクラブに選ばれる存在に

　現在、中断中のＪリーグ。欧州のビッグクラブが金を稼ぎに来日している。セルティックが行った横浜Ｍ戦、Ｇ大阪戦の２試合は観客が入らず赤字になったのでは？ 日本人選手以外はネームバリューのある選手がいないので当然なのかもしれないが…。セルティックは日本ツアーをもう組まないだろうと揶揄されている。横浜ＭはマンチェスターＣとも対戦して強さを体感した。中断中のゲームで疲労の蓄積が心配だが、彼らとプレーできるのは羨ましい。札幌もいつかはビッグクラブに選ばれる価値のあるチームになってほしい。