ケガから復帰した札幌DF西野 中断明けの公式戦に「若手の台頭は絶対に必要」とアピール誓う
■7月25日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
左太もも裏肉離れから復帰
北海道コンサドーレ札幌は攻撃練習や6対3のパスゲームなどで調整した。左足ハムストリングの肉離れで戦列を離れていたDF西野奨太(19)が、オフ明けから全体練習へ完全合流。出場機会を増やしつつある若武者が、中断明けの戦いでさらなるアピールを誓った。
ルヴァン杯・横浜M戦のフル出場で信頼得た矢先に負傷離脱
高校2年時にプロ入りしてから2年間はそれぞれ公式戦2試合ずつの出場にとどまっていたが、今季はここまでカップ戦6試合に出場した。5月24日ルヴァン杯のグループリーグ横浜M戦(札幌ドーム、3〇2)でフル出場して好パフォーマンスを披露すると、続く同27日のリーグ名古屋戦(札幌ドーム、1●2)では約1年半ぶりにメンバー入りするなど信頼を得た。
だが、先発出場した6月18日同杯磐田戦(札幌ドーム、2●3)の試合中に左足ハムストリングの肉離れを発症。前半23分での負傷交代を余儀なくされた。「個人として悔しいタイミングでケガをしてしまいました。フルで出られたらもっといい経験ができたと思うし、(札幌の)あのメンバーの中で長い時間やりたかったというのはありました」と悔しさを口にする。
中断期間も休日返上 「またゼロから練習でアピールできれば」
それでも「そこはもう本当に切り替えて。しっかりと再発しないように、癖にならないようにというところと、復帰した後、またゼロから練習でアピールできればなと思っています」と気持ちを切り替える。リーグ中断期間の1週間のオフも「リハビリの最後の追い込みで走っていたので、ほぼ(休みは)無かったです」と休日返上でコンディションを上げ、きっちりと全体練習の再開に間に合わせてきた。
ルヴァン杯は21歳以下が最低1人先発するルール
西野の存在が重要になってくるのが、9月に準々決勝を控えているルヴァン杯だ。同杯は決勝戦を含む全試合で21歳以下の日本人選手1人以上を先発出場させなくてはならないというルールが存在する。FW中島大嘉(21)が名古屋へ期限付き移籍したため、現在のトップチーム所属選手でその条件を満たすのは、西野ただ一人だ。
準々決勝で再戦する横浜Mに「どれだけやれるか」
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横浜Mとホーム&アウェーの準々決勝に向けて「ウイングに速い選手、すばらしい選手がいる。もし出られたら、どれだけその相手に対してやれるのか、自分(の力)を示すいい機会。決勝トーナメントというすばらしい雰囲気の中で、もし舞台に立てたらこれ以上のことはない。しっかりと勝負にこだわって楽しみながらそういう相手とやれたら、自分の今後のキャリアにとってすごく良い経験になる」と意気込んでいる。
もちろんルヴァン杯だけではない。天皇杯、そしてリーグ戦での出場機会増も虎視眈々と狙っている。「ケガ人だったり、(金子)拓郎くんの移籍で、今いるメンバーで戦わなければいけない中で、若手の台頭は絶対に必要なこと。今後、カップ戦でもリーグ戦でも上位を狙っていくなら、どのチームでも絶対に若手の存在というのは必要。(中村)桐耶くんに続いて、リーグ戦にもっと絡んでいけたら」と、今季躍進を見せている札幌U-18の先輩を手本に自身も存在価値を高めていくつもりだ。
大好きな宮澤主将に似てきたことが一部で話題に
最近、一部で話題になっているのが、現在の西野の風貌が、主将のMF宮澤裕樹(34)にそっくりだということ。身長は共に182センチ。茶色に染めたヘアタイルは、その色も長さもほとんど同じだ。ヘアバンドで前髪を押さえているところも共通している。宮の沢でも遠い場所で練習していると、どちらか区別がつかなくなってしまうほどだ。
「本当にマジで寄せていないんですよ」と苦笑いしながら自らが真似ていることは否定するが、選手としては「本当に大好きで尊敬しているので、勝手に似ていくならいいかなっていうのはありますね。言われるのはうれしいです」と、まんざらでもない様子。しかし、宮澤自身も気付いているようで、「裕樹さんは嫌がっています(笑)。『髪切ろ』って言われてます」。自然に似てくるのは仕方がない。しっかりとプレー面で憧れのキャプテンのような存在となることを目指し、サッカーだけに集中していく。
戦線復帰には「状態をもっと上げていく必要がある」
次戦までは少し日程が空いていることから、チームはフィジカル強化に重点を置いたトレーニングを行っている。「ハムストリングをケガしてからまだそんなにたっていないので、まずは再発しないようしっかりとケアしていきたい。1カ月離脱してしまったので、体の重さとか、状態をもっと上げていく必要がある。この期間をしっかりと活用して、重点を置きながらやっていきたい」。若武者の大きな成長は、悲願のタイトル獲得にも必ずや貢献してくれるはずだ。