北海9番・小保内がエスコンで覚醒 準決に今季初安打で決勝は先制打&ダメ押し犠飛【南北海道大会】
■全国高校野球選手権南北海道大会最終日(7月25日、エスコンフィールド北海道)
▽決勝 北海11-2北海道栄
春から夏で背番号7→17 悔しさをバネに3打点
北海の下位打線が決勝でついに目覚めた。二回2死から8番・関辰之助三塁手(3)の二塁打、9番・小保内貴堂左翼手(3年)の三塁打で先制に成功。なかでも小保内は、南大会初のフル出場で、この夏初めての適時打をマーク。五回には押し出し四球を見極め、八回には中犠飛と、3打点の活躍を見せた。春の背番号7から17番に降格した悔しさをバネに、最後にバットで貢献した。
試合前に8番・関と「8、9番で1点」
〝都合の良い男〟は卒業だ。前日24日の駒大苫小牧戦で、支部を通じてこの夏初安打をマークした勢いは本物だった。小保内は先制打を振り返り「真芯で、もう行ったなと。ストレートの少し高めだったけど、思いっきり振り抜きました。特別なこのエスコンフィールドで一番気持ち良いバッティングができました。関とも話し合って『8、9番で1点』って、試合前から言ってたことが本当に起こって、とってもうれしかった」と声を弾ませた。
継投策でベンチに下がることが多く 「もう少し投げて。(四球)やめて」とヒヤヒヤ
これまでの継投策の中では、長内陽大(3年)が投げ終えて外野を守った場合、小保内がベンチに下がる場合が多かった。「いっつも投手の関係で自分が代わることが多くて、ヒヤヒヤしながら『もう少し投げてくれ』とずっと思っていた。フォアボールとかでも『やめてくれ』と、また代わってしまうのが少し怖くなっていた」と試合に集中し切れていなかった。
平川監督も悩む 小保内か宮下か…
「もうやるしかない」と腹をくくった準決勝では、安打を放ったものの、九回に岡田彗斗投手(3年)が救援に上がった影響で、先発マウンドの長内が、一塁から左翼に回り、小保内はベンチに下がった。だが、試合後の平川敦監督(52)は「小保内が初めて打ったんで、決勝では宮下と(交代を)どちらにするか悩みます」と話していた。
決勝は終了までグラウンドに立ち続け 「自信がつきました」
決勝では、八回までに1安打3打点。九回にマウンドに上がった岡田に代わり、ベンチに下がったのは宮下。小保内は「本当に1打席2打席が勝負になってくるので、そこでの1本が大事。自信がつきました」。序列をひっくり返し、ゲームセットまでグラウンドに立ち続けた。
小学生時代に東16丁目フリッパーズで道勢初の全国優勝を経験
野望は尽きない。小保内は少年野球の東16丁目フリッパーズで、2017年高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会マクドナルドトーナメントで長内投手と共に北海道勢初の日本一を達成した。「小学校の全国優勝を意識してしまって、結果が求められるんですけど、1勝、1勝の結果で2度目の全国優勝を目指したい。誰もしたことないようなことに挑戦したい」。春に付けていた背番号7は、長内が付けており「もう一度『7』奪還を目指して甲子園まで頑張りたい」と、ギラリ。日本一を知るラストバッターが、今度は北海を初優勝に導く働きをする。