立野 1年3カ月ぶり1軍マウンド「きょうは楽しく、思い切って投げよう」
■パ・リーグ16回戦(7月30日、エスコンフィールド北海道)
新球場初登板 「いろんな思いが駆け巡りました」
日本ハムの立野和明投手(25)が30日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦の五回に3番手で登板。2022年4月21日・楽天戦以来、約1年3カ月ぶりの1軍登板を果たした。初めて新球場のマウンドに上がり「いろいろな思いが駆け巡りました。きょうは楽しく、思い切って投げようと思っていたので良かったです」と柔らかな笑みを浮かべた。
オリ強打者と真っ向勝負 建山コーチ「次の登板が楽しみ」
紅林に一発を浴びるなど2イニングを投げ、被安打5の1失点。会心のピッチングとはほど遠いが、得た収穫は大きかった。直球は最速148キロを計測。杉本やセデーニョら強打者たちに真っ向勝負を挑み、三振に斬った。投球を見守った建山投手コーチは「良いボールをしっかり投げられて空振りも奪えていた。(1軍で)通用していたし、あらためて彼の能力の高さを感じられた。また次の登板が楽しみですね」と、うなずいた。
昨季途中に右肘痛発症 「もう1軍で投げることはないだろうな」
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社会人野球・東海理化で腕を磨き、即戦力候補との期待を受けてプロの世界へ飛び込んだ。入団2年目の2021年には10試合に先発し4勝をマーク。近未来のローテーション投手にふさわしい豊かな才能を披露した。
昨季も開幕6戦目の先発を務め、就任1年目の新庄監督に公式戦初勝利をプレゼント。近未来の有望株は、順調な成長曲線を描いていた。だが良い時は長く続かず、昨季途中に右肘痛を発症。「今はもう大丈夫だけど、肘だけではなく体全体(に痛み)が…。一時はもう1軍で投げることはないだろうなと思っていました」と、どん底まで落ち込んだ。
恩返しを期し復活 さらなる飛躍を誓う
天然キャラで周囲から愛される背番号33。根っからの明るい性格の持ち主だが、心はすっかり疲れていた。落ち込む日々を過ごす中で、周囲の声が支えになったという。「一番は親とか友達、ファンの方。知り合いからの連絡も結構多かった。いつも応援してくれる人に、いつか恩返しをしたいとずっと思っていました」。久々の1軍登板を終えた試合後、右腕は周囲への感謝を熱っぽく語った。
視線の先は早くも、次回登板へ向かっている。「2軍の時はスライダーが良くて、きょうは真っすぐが調子良かった。次からはデータも取られるので、作戦を考えて、レベルアップしてやっていきたいです」。真価が問われる4年目シーズン。本領発揮はここからだ。