吉田輝星が2軍で2回無失点 「年下とかは関係ない」と後輩からも助言受け前進
■ファーム交流戦2回戦 オリックス3ー0日本ハム(7月30日、鎌ケ谷スタジアム)
納得のピッチング内容 2奪三振で2回0封
夏本番に、輝きを取り戻しつつある。日本ハムの吉田輝星投手(22)が30日、2軍オリックス戦に七回から登板し、2回を1安打無失点。最速146キロを計測した直球を軸に、2奪三振をマークした。
「力を入れた球が高めに抜けずに、低めに収まるようになってきた。そこが今すごい気になっているところで、強く投げた時にどうなるかをキャッチボールからすごい考えてやっている。そういう成果がちょっと見えたかなと思います」と自信を深めた。
酷暑のマウンドで集中 木田2軍監督も高評価
過酷な暑さの中でのマウンドも、「集中して野球をやっていると、気温を感じなくなる」と全く苦にしなかった。七回を3者凡退に仕留めると、八回は先頭の園部に三塁打を浴びるも、後続をピシャリ。見守った木田2軍監督は「ボールが低くなってきたから、カウントが取れるようになってきた」と評価した。
プロ入り5年目シーズン 最近の〝相棒〟は2年目右腕の達
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高卒5年目を迎え、鎌ケ谷では徐々に後輩が増えてきた。最近では、3学年下の達と練習を行うことが多いという。「あいつはナメているんですけど、生意気な感じはなくて、弟みたい。悪気のないナメ方。僕は話しかけても『はい!』みたいな感じのやつよりは、達みたいにどんどん話しかけてくれる方が仲良くなるのが早い」と親睦を深めている。
貪欲な姿勢も吉田の持ち味 すべてはレベルアップのため
たとえ年下でも、尊敬できる部分は素直に認め、教えを請うことができるのが吉田の強み。「達は練習方法を調べたりするのが好きなので、勉強しているし、いろいろなことを知っている。年下とかは関係なくて、すごいなって思うので、いろいろ聞いています。例えば『脇腹の筋肉を柔らかくしたいんだけど、何かない?』って聞いたら、『野球につながる動きだったら、これがいいですよ』って教えてくれる。僕はそこまで知識を詰め込むと、野球の動きがロボットみたいになるので(笑)」。後輩にも積極的に助言を求める貪欲な姿勢が、調子を上向かせている理由の一つだ。
苦しみ抜いた今季 とことん考え「頭の中がすっきりしてきた」
今季の開幕直後は状態が上がらず、「あんまり考え過ぎるのも良くないですけど、考えてやらないと一生進まないなと思った」と、昨年指導を受けた藤川球児氏の投球映像などを何度もチェックし、フォームを細部まで考え抜いた。今は頭で考えることなく、体が自然に動くようになってきている。
「もともと僕は感覚派。フォームの中で意識するポイントも少なくなってきて、だいぶ頭の中がすっきりしてきました」と上昇気配を感じている。
残るペナントレースは50試合 今季初昇格へ準備は整いつつある
ここまでまだ昇格はなく、1軍は残り50試合。「そろそろ上がりたい」と焦る気持ちを抱えつつ、「こっち(2軍)でもやることはたくさんある」と足元を見つめた。マウンドでの躍動感は戻ってきた。あとは結果を出し続け、エスコンフィールド行きの切符を勝ち取るだけだ。