《SHINJOの信条》なーんも知らん。座っていただけ
■パ・リーグ15回戦 日本ハム8-6ロッテ(8月2日、ZOZOマリンスタジアム)
【試合前】
―(江越の打撃練習を見て自ら)
「選手がこれを取り組みたいな、とか、これ違うな、これが正しいだろうなというところに、ポンと俺が(答えを)当てはめて。『ボスから言われた』と、マッチさせることがむちゃくちゃ大事で。ちょいちょい裏方さんとかにも聞きながら、当てはめていくようにはしているんですけど。当てはまらん(笑)」
―思わずガクっとした仕草をしていたが、何をアドバイスしていたか。もう少し軽く打てということか
「違う違う違う。手でボールに合わせようといき過ぎているから。逆に当たらない。もう手を忘れて腰で打てと。腰で打つように。ちっちゃい頃から野球をやっているからバットをボールにぶつけにいく癖は付いているから。腰、腰でと。そうしたら(打球が)ゲージから出ない(笑)。はあ~。当たりゃ、飛ぶんですけどね。外国人張りに」
―江越は楽天戦の右中間の打球も当てただけだった
「そう。あれは当てただけ。振っていない。まあ、でもこんなもんですよ。足のある守備が上手い選手はバッティングが下手。バッティングが良くても足が遅い、肩が弱い。それを線にしていくのが楽しさでもあり。なかなか三拍子揃っているというのはプロ野球選手の中でも数人しかいない。どっか抜けてるでしょ。それがまた最高に面白いというかね。俺、守備がめちゃくちゃ上手くて、大した成績はね、打つ方では(日米通算安打が)1500本(正しくは1524本)。220、230本(正しくは日米通算225本)しかホームラン打ってないから、大したアドバイスはできないけど。マジで。おまえ、2割5分しか打ってないじゃないかとね」
―新庄監督は記憶に残るようないい場面で打っている
「そう。いいところで打ってほしい。どうでもいいところでは打たなくていいぐらい。役割があるからね。五十幡くんとかはどうでもいいところで打ってほしいタイプ。野村くんとかはどうでもいいところでは打たなくてもいいタイプ。両方でたら最高なんですけど、なかなか。1試合3時間、集中するのは難しいから、チャンスで打って、使いたくなる選手になる」
―メジャーでも日本でも監督は一番大事なときに何かやる
「前も言ったように、ほかで集中していない。もったいないから、チャンスのときに全部を出す。だから(チャンスで打てないと)眠れないですもんね、悔しくて。気がついたら(早朝)4時までスイングしている、駐車場で、みたいなことが多かった」
―野村は全部の打席で打とうとしているか。真面目な性格もある
「それはある。さっき万波くんに聞いたら、1日の試合は狙いにいって、打ったと。あれができたら40本はいきますよ。逆方向に。インコースはないと割り切ってバンって。最高。なかなか毎回ね、そこにボールが来るわけじゃないし。そこに来ると、自分を信頼して、打ちにいって、一発で仕留めたら、気がついたら3割近く、30本くらい。おれも30本は打ったことないんです。28本、あの狭い甲子園だったから。札幌ドームでは24本」
―エスコンなら
「いや、エスコンになったからといって増えないんすよ。逆に入ると思うから。東京ドームくらいじゃないですか。あっち向いてホイで入る球場は。東京ドームに行ったら、おもしろいですよね。清宮くんは逆方向に入る。緩い変化球をドンと。逆方向に入ってくれる球場だから」
―スタメンのポイントは
「ショートは奈良間くん。美馬くんは右バッターの方が抑えてないんですよ。(左打者には)2割1分くらいで、右打者には3割くらいかな。というところで。ま、あまりあてにならないですけどね。相手の調子もあるから。右でも左で打てるバッターにならないと。加藤(豪)くんがね、(打球が)フェンス手前でしょ。まあまあ彼もね、いろいろ考えて、もう何十年もやってきているから。ここからこう(トップの位置から前に出ずに打ちにいく)だと、(力が)伝わらんから。もったいない」
―楽天戦のときにアドバイスしていた
「言ったけど、変わっていない。どうしても(前に体重)移動することが、できないから。やっぱり力が伝わってこない。ま、ヒットは出るかもしれない。センター前。調子が良い時はね。エスコンのライトフライとかでも、手前でしょ。だったらライナー、ゴロの方がいいじゃないと思います。だいたい(フライを)上げたら捕られるから。越えない限りは」
―王柏融が支配下。今後の期待は
「タイミングの取り方が良くなり、頭の動きがなくなった。しっかり体重が移動して、頭が動かず。この間の鎌ケ谷の時かな、代打でホームランを打ったときの打ち方をスローで見ていたんですけど、完璧で。ちょっと若い番号にしたいなと思って伝えました」
―1軍昇格も
「もう少しだけ打席に立って様子を見て、打席の結果じゃなくて内容が1軍のピッチャーに対応できそうだったらすぐ来てもらおうかな。で、DHでちょっと。もしかして爆発するかもしれないですしね。小力はもともと持っているから。そりゃ、台湾で4割。台湾のピッチャーがどのくらいのレベルか分からないけど、4割打つのはたいしたもんですよ。バッティングピッチャーが試合のように毎回投げて5割打てるかといったら、正面にいくときもある。4割ってすごいですよ。それを見いだせなかったのかもしれない。本人の実力かもしれない。一度、背番号が3ケタになって気持ちがまた高ぶって、化けて帰ってくるかもしれない。そのへんはもう使ってみないと分からないから。そういう選手は多いですよね。一回、地獄に落ちて這い上がってきたら、もう落ちたくないというね。そういうのを大事にしたいタイプだから。それでダメだったらもうユニホームを脱ぐ覚悟でいると思うから。オレもね、メジャーで2回か。クビになっているから。サンフランシスコでクビになって、メッツの3年目はクビと言われる前に、オレが自分でクビと言った。言われる前に。もう日本に帰るから。1軍に上がって来いと言われたけど、オレ、もう帰るからと。クビ、お願いしますと。はっきり言うから。大丈夫って。もうメジャーはいいですって。いい夢を見させてもらいました。だから北海道に行きますと」
―30度を超えている。暑くないか
「暖かいと思わないと。暑いと思っちゃダメ。暖かいもっともっと汗出させてよと思うと気持ち良くなる」
―わざと汗を出していると以前、言っていた
「汗を出したい出したい出したい。気持ち。気持ち。暖かいわーもっと汗を出させてくださいよーという感じ」
―それはマインドコントロールか
「マインドマインド。寒いところ行くでしょ? サウナの110度くらいに入っていて暑い暑い、涼しいところ行きたいという感覚にする。逆に暑いところ行ったら、クーラーでガンガン冷えたイメージを持つ」
―自宅でクーラーは?
「あまりつけないです。汗をかいてシャワー浴びた方が良いというタイプ。外で暑い暑いと言ってるヤツがいたら腹が立ってくる(笑)」
―報道陣は全員、言っているかもしれない
「暑い暑いと言ってパッとその場が涼しくなるなら言っていいけど。部屋で暑いと言うなら、じゃあクーラーつけようかと。外で暑い暑いと言っても変わらんし、あと痛いも一緒。痛い痛いって。言って痛いが治るんやったら言っていいけど、治らないんだから言っても一緒やろ。言うなと。痛かったら落ちようかと。2軍に落ちますかと。すぐ落としますよ。だけどこれ、バリの生活もあるかもしれない。バリは1年中暑いから。全てマインドですよ。ダイエットしたいなと思ったら、マインドがそうなっているから食事がいらないとか」
【試合後】
―(自ら)
「今日はなーんも知らん。もう座っていただけ。選手を褒めてあげてください。マーベル良かったね! 捉える手前でちょっとだけ動くのが良かったんでしょうね。伏見くんに聞いたら、全て甘いと」
―振りにいって打ち損じるみたいな感じか
「そうそうそうそう。わざと投げられるボールじゃないと思うから、ナチュラルに。それがね、良かった。もう本当にグッジョブです」
―上原はけがで降板。マーベルは準備はしていたか
「準備はしていないでしょ。上原くんは、ちょっとね、手を痛めて1回外そうかなと。行って投げて、すぐおかしそうだったので。でも、本人は大丈夫そうな感じでした。マーベルがね、今度は先発で。ちょっと面白そうだから行ってもらおうかなと」
―5回投げてもらったのは大きかった