札幌DF中村「ズレが出てしまった」 攻撃的サッカー不発で公式戦2戦連続完封負け 17年ぶり天皇杯8強ならず
■天皇杯4回戦 柏1-0札幌(2日、千葉県・三協フロンテア柏スタジアム)
左CBで先発フル出場
クラブ史上最高のベスト4入りを達成した2006年以来17年ぶりの天皇杯8強を狙った北海道コンサドーレ札幌だったが、最後まで柏の牙城を崩すことができず、無念の4回戦敗退を喫した。「勝つか負けるかというところで、勝てずに次に進めなかった結果が全て」。左CBとして先発しフル出場したDF中村桐耶(23)は悔しさをにじませた。
ケガ人も続々復帰
FW小柏剛(25)やMF青木亮太(27)らケガで離脱していた攻撃陣のタレントが戦線復帰。大卒ルーキーFW大森真吾(22)もケガを乗り越えてプロ入り初となるベンチ入りを果たした。2カ月前の柏とのリーグ戦で大量5ゴールを挙げて以降、リーグ戦5試合で複数得点から遠ざかっていただけにミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)が掲げる超攻撃的サッカーの復活に期待が寄せられた。
両チーム一進一退の攻防が繰り広げられていた前半22分、札幌は思わぬ形で先制を許す。GK大谷幸輝(34)がペナルティーエリア外まで飛び出してルーズボールをクリアしたが、そのボールが相手に渡ってしまう。「大きく蹴り出そうと思ったがミスになってしまった」と大谷は悔やみながらその場面を振り返る。必死に食い下がる札幌守備陣だったが、柏からボールを奪い返すことができないままゴールネットを揺らされた。
前半ロスタイムのボレーシュートは相手GKの手に
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1点を追う展開となった札幌は攻勢に出る。中村も得意のサイドチェンジを何度も繰り出し、前半アディショナルタイムにはMF小林祐希(31)からのパスに反応し、「ふかすのが一番最悪なので、抑えて撃った」と、ダイレクトでボレーシュートを放つが惜しくもGKの正面に飛んでしまう。
最後までパスワークのズレ解消できず
後半も選手交代で流れを呼び込もうとしたが、札幌のストロングポイントであるパスワークが相手選手に引っかかったり、出し手と受け手の呼吸が合わなかったりとなかなかうまくいかない。「チームとしての立ち位置の悪さだったり、かみ合わなかったところもありました。特に後半は息が上がってきた中で、それぞれの前に行きたい気持ちと後ろに残って時間をつくる人のズレが出てしまったのかなと思います」。結局最後までパスワークのズレを解消することができないまま公式戦2試合連続の完封負けとなった。
タイトル奪取、ACL出場をチームとして目標に掲げる中で、その両方を一気につかみ取ることができる天皇杯から姿を消すこととなったのは非常に痛い。しかし、落ち込んでいる暇などなく、中3日で鹿島とのリーグ戦(6日、カシマ)を迎える。
次は鹿島戦「前回は自分のミスから失点してしまった」
その鹿島戦に人一倍闘志を燃やしているのが中村だ。「前回は自分のミスから失点してしまっているので、そこを取り返すためにもしっかりカシマで借りを返したいです」。5月に行われた試合(札幌ドーム、0●1)では中村のパスミスが相手に渡ってシュートを撃たれ決勝点を献上した。移動も含め過密スケジュールでリベンジマッチに臨むが「それはもうやるしかないので。各々がケアをしっかりして少しでもいい状態でできるようにしたい」と前を向く。
「リーグ戦とルヴァン杯に切り替えて」
「リーグ戦とルヴァン杯に切り替えてやっていきたい」。これで全てが終わったわけではない。掲げた目標を達成するため、この悔しさをバネにして次なる戦いへ向かっていく。