札幌DF福森が母校・桐光学園の決勝進出にエール「自分もしっかり試合に勝って喜び合えたら」
■8月3日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
鹿島戦に向け練習開始
北海道コンサドーレ札幌は、2日に千葉で行われた天皇杯4回戦・柏戦から帰道後、6日のアウェー・鹿島戦へ向け、ジョギングやボール回しなど軽いメニューでリカバリーした。この日、DF福森晃斗(30)の母校、神奈川・桐光学園が旭川で行われているインターハイで決勝進出を決めた。プロ入りの原点となった高校時代を振り返りつつ、4年ぶり2度目の優勝へエールを送った。
国見をPK戦で破り決勝へ
桐光学園が国見との準決勝をPK戦で制し、4年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。結果は移動中にチェック。4日の決勝戦(12:00、旭川市花咲スポーツ公園陸上競技場)は練習があるため見に行くことはできないが「西区から応援してます。桐光学園がインターハイで優勝してプロになる選手が出てくるかもしれないので、桐光学園の名に恥じないようなプレーを自分はしなければいけない。優勝してもらって自分もしっかり試合に勝って喜び合えたら」。同じ北海道で行われているだけにすぐにも駆けつけたい衝動を抑え、プロとして次節に向けた準備に集中する。
厳しかった高校時代「3年間がなかったら、プロにはなれてないでしょうね」
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福森の高校時代は、現在、新潟医療福祉大を率いる佐熊裕和元監督(59)に2年時からセンターバックでレギュラーとして使ってもらい成長した。「ずっと憧れの存在である中村俊輔さんも指導した監督だったので、本当に3年間厳しくもあり、よくもしてくださった」。自らをサッカー選手として導いてくれた恩義を忘れたことはない。
3年時に沖縄インターハイで3位
3年時にインターハイ出場。準決勝に進出も千葉・市立船橋に0-1で惜敗し3位。全国制覇まであと一歩まで上り詰めた。「自分たちは沖縄だった。北海道よりも暑いんで(今年は)楽なんじゃないですか? 沖縄のインターハイ、やばいですよ。前半終わったらみんな倒れてましたから」。青春の1ページを思い出し、苦笑いを浮かべた。
身体にアザを作りながらの「10人斬り」
高校時代に過ごした濃密な3年間は、良くも悪くも(?) 脳裏に刻み込まれている。プロとしての土台を作り上げた、桐光学園の名物メニュー。「毎週水曜日にフィジカルトレーニングがあって、学年関係なく『10人斬り』っていうのがあった。ペナルティーエリアの半分ぐらいの幅で1対1を10人連続でやるんです。1分から2分くらいの持ち時間で攻め側は3ゴール決めなきゃいけない。決められなかったらペナルティーからハーフウエーまでダッシュして戻ってくる。守備はひたすら相手の目の前でシュートブロックする」。時に体にアザを作りながら耐えに耐えた。
綿入りスパッツでスライディング練習
さらに、もう一つの名物が、サイドラインの間を何度もスライディングしながら進み続ける過酷メニュー。同校のグラウンドは2018年に人工芝に生まれ変わったが、当時はまだ土で「スパイク何百足買ったかな~(笑)。乾いてカラッカラでもやる。体を張れと。普通のスパッツははけない。野球部がはいてるスライディングをしても大丈夫な綿が入っているやつをみんな買ってはいてました」。技術よりメンタル面が鍛えられたと言う。「その3年間がなかったら、プロにはなれてないでしょうね。チームメートに恵まれたってのもありますし。選手権は出れなかったけど、インターハイ3位で夏頃からスカウトの人たちが見に来てくれてました」。高3の秋には川崎入りが決定。J屈指のフリーキッカーへの挑戦が始まった。
「1点取れば、もう2、3点取れる雰囲気を取り戻したい」
6日の鹿島戦で3週間ぶりにリーグ戦が再開する。直近5試合は2分3敗と苦しい戦いが続いている。「点を取らなければ100パーセント勝てない。しっかりミシャが求めてるサッカーをしつつ自分たちのアイデアもその中に入れ込んで。前期の調子いい時のように、1点取ればもう2、3点取れる雰囲気と勢いを取り戻したい。鹿島は堅守速攻。1点取られれば、ものすごく堅く守ってくるチーム。より先取点、得点が重要視される。後ろの選手たちは粘り強く守りつつ、しっかり攻撃的にいいボールを供給して、その中で先制点をとって勝ち切れればいい」。神奈川が生んだ屈指の左足の名手がチームを久しぶりの勝利に導く。