頼れる男が帰ってきた。４月に左内転筋を負傷し離脱していた石川が４日のソフトバンク戦から１軍に合流した。真っ黒に日焼けした顔はりりしく、２軍の鎌ケ谷でじっくり調整してきた様子がうかがえる。おかえりなさいと声をかけると「やっとですね。暑さはしんどかったですよ」と、さわやかな笑みを向けてくれた。

　今季はキャンプから好調を維持し、開幕時点で守護神のポジションを勝ち取っていた。セーブシチュエーションに恵まれない中でも好投を重ね、４月２０日のロッテ戦ではチーム一番乗りでセーブを記録。だが、直後に痛みが襲ってきた。「やっと（セーブを）１個取れたところだったので、すごく悔しかった」と当時の心境を思い返した。

　１軍復帰までに時間を要したが、シーズンはまだ２カ月も残されている。１軍戦を欠かさず観戦していたという石川は、強い決意を言葉に乗せた。「自分がいられない悔しさを感じながら試合を見ていた。良いポジションで入れたのにケガをしたので、また０から取り戻す気持ちで、きょうからやっていきます」。ハイレベルなクローザー争いが、シーズン終盤の見どころの一つになりそうだ。