道産子左腕の福田俊 思い出の北広島でプロ初勝利「本当に、素直にうれしいです」
■パ・リーグ15回戦 ソフトバンク4ー5日本ハム(8月4日、エスコンフィールド北海道)
5番手で延長十一回をピシャリ 直後に打線が決勝点
チームの屋台骨を支える男が、スポットライトに照らされた。日本ハムの福田俊投手(26)が4日、ソフトバンク戦(エスコンフィールド北海道)の延長十一回から5番手で登板し、相手打線を3者凡退に抑えた。直後の攻撃で味方が得点を奪い、チームはサヨナラ勝ち。プロ5年目、通算63試合目でうれしい初勝利を手に入れた。
記念のウイニングボールは両親へ 「やったよ~」
人生初のお立ち台では時折、言葉に詰まりながらも一生懸命に思いを伝えた。「上沢さんや中継ぎ陣が粘り強く投げていたので、自分もスコアボードに0を入れようと思って投げました。本当に、素直にうれしいです。(ウイニングボールは)ここまで育ててくれた両親に渡したいです。『やったよ~』って」。同じ空間で家族と初勝利の喜びを共有し、照れくさそうにほほ笑んだ。
大学時代を過ごした地で、ホームで、手にした大きな1勝
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日頃から口数は多くなく、取材時にはたびたび「しゃべるのが苦手。人前になるとなおさら」と自虐する。ただ、寡黙な分だけ胸には多くの思いを秘めている。大学時代を過ごした北広島市で挙げた白星の味は、何にも代えがたい格別なものだったから、少しだけ雄弁になった。
「うれしいのが一番です。ゆかりある地で、しかもホームゲームで勝てた。ヒーローインタビューもホームの方が温かいじゃないですか? そういう面も含めて良かったなって思います」
期待通りに左封じ 今季ここまで15試合で防御率0・00
また一つ信頼を積み重ねた。今季はワンポイント、イニングまたぎと多様な役割をこなしながら、15試合連続で無失点を継続中。与えられた場所で見事に結果を出している。この試合でも中村晃、牧原大、川瀬と好打者を完璧に封じ「求められているのは左をちゃんと抑えること。きょうに関しては左3人。それができたので良かったかな。最近は四球や死球を1試合に1個ずつ出していたので、3人でちゃんと終われて良かった」と、うなずいた。
狙うポジションは勝利の方程式 「一喜一憂せずやっていく」
好投を続ければ、今後はより重要な局面での登板機会が巡ってくる。勝ちパターン入りを目指す左腕は「結果が良くても、その中で反省することが出てくる。反省して、良いところはそのままで。そんな感じで毎日やってます。小さいことで一喜一憂しないようにやっていきます」。渾身の一球を繰り返し、少しずつ地位を築き上げる。