■パ・リーグ１５回戦　ソフトバンク４ー５日本ハム（８月４日、エスコンフィールド北海道）

２試合連続マルチで大台　心がける「最低１試合１本」

　日本ハムの松本剛内野手（２９）が４日、エスコンフィールド北海道で行われたソフトバンク戦で２安打をマークし、２年連続でシーズン１００安打に到達した。日々の積み重ねを重視しており「僕は四球をなかなか取れるタイプではないので、ヒットを一本でも多くという意識はあります。残り５０試合近くあるので、最低１試合１本を目標としてやっていきたい」と意欲をたぎらせた。

　ソフトバンク先発の東浜を攻略。一回に右前打、三回に中前打を放ち、チャンスメークした。チーム９７試合目（出場は９４試合）で、１００安打をクリア。開幕から主軸として、打線をけん引している。

長かった下積み時代　試合出場への渇望が原動力

　両アキレス腱（けん）を痛めるなど、決して万全ではないが、心と体を突き動かしている。そんな試合への執着は、下積み時代に起因する。プロ１０年目までで、規定打席到達は２０１７年の１度だけ。コンバートも経験し、１軍、２軍を行ったり来たりする生活が長かった。昨季、遅咲きの本格ブレークを果たしたが、辛抱し、耐えた日々は深く記憶に刻まれている。

自らを奮い立たせる過去の記憶　「出られる喜びを忘れずに」　

　「僕は試合に出られない時間が長かった選手。試合に出られないもどかしさより、体がきつくても打てなくて悔しくても出られる喜びは忘れずに（プレーしている）。体がつらい時、ふとベンチで悔しかった過去を思い出したりすると、頑張れる。試合に使ってもらえる喜びを日々感じながら、毎日やっていけたら」

こだわりを持つヒット数　現在パ・リーグ２位タイ

　昨季の首位打者は、安打数にこだわりを持っている。自らの打撃スタイルを引き合いに出し「僕みたいな選手は打率も残さないと試合に出られないの分かっていますけど、そこを気にしすぎても良くない。今はもう安打数を１本でも多く重ねたい」と望みを口にした。

　４日現在、シーズン安打数は、ソフトバンクの柳田悠岐外野手（３４）の１０７に次いでパ・リーグ２位タイ。最多安打のタイトルも狙える位置にいる。「唯一、僕が目標に掲げていた最多安打。キャンプから口にして目標にしているので、最後まで諦めず、そのためにも出られる限り打席に立ちたい」。泥臭くはい上がってきた選手会長は幸せをかみしめながら、謙虚に貪欲に戦い続ける。