道産子サウスポー福田俊 16試合連続無失点 ギータ斬りで〝左キラー〟本領発揮
■パ・リーグ17回戦 ソフトバンク6ー1日本ハム(8月6日、エスコンフィールド北海道)
七回に3番手で登板 2死三塁のピンチ迎えるも無失点
完敗の中にも、確かな光はある。日本ハムの福田俊投手(26)が6日、エスコンフィールド北海道で行われたソフトバンク戦の七回から3番手で登板。1イニングを投げ切り、16試合連続無失点とした。安定感ある投球を続ける道産子左腕はワンポイント、イニングまたぎと持ち場を問わずマウンドで躍動する。
左封じが使命 この日も強力打線の中軸を手玉
〝左キラー〟ぶりが際立っている。今季の対左打者の被打率は0割台。この試合でも左打者4人と対戦し、いつもと同じように安打を許さなかった。まずは先頭の三森を空振り三振。1死後には死球と暴投でピンチを背負いながら、牧原大、柳田と続く相手の中軸を内野ゴロに仕留めた。
左同士の対決を制することが生きる道だと自覚している。「特にソフトバンクは左の良い打者がつながっている。走者は1人出しましたけど、そこをゼロで帰って来られたのは良かったかなと思う。自信にもなります」と、強力打線を封じることで大きな手応えを得た。
好打者から納得の奪三振 「イメージ通り、意図した通り」
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進化した変化球が生命線になりつつある。三森から奪った三振はスライダーによるもの。外角いっぱいに投げ込んだ1球に対して、相手は完全に体勢を崩されていた。バットが空を切る瞬間を振り返り、背番号40は「イメージ通り、意図した通りに投げられました」と納得の表情を浮かべた。
登板のたびに信頼度アップ 建山コーチも絶賛
建山投手コーチは、疲労の蓄積する夏場のブルペンを支える左腕に賛辞の言葉を贈る。「ストライクが先行できるのが魅力。あとはスライダーですね。去年まではほどける感じだったけど、曲がりに角度が出てきた。左打者が嫌がるスライダーになってきた。そのあたりが(好投の)1つの要因かなと思います」と信頼を口にした。
充実の日々 カード1戦目にはプロ初勝利
今カードは1勝2敗で負け越したが、福田俊にとっては充実の時間だった。1戦目ではプロ5年目にして初勝利をゲット。反響は大きかったようで「『おめでと~』っていっぱい来ました。でも、いっぱいでもないか…何十件? 友達が多くないので全員に返信しました」とユーモアたっぷりに喜びを表した。日々、存在感を高めるサウスポーに、少しずつ余裕と自信が備わってきた。