クラーク甲子園初勝利へ 新岡歩輝主将、攻守に万全! 佐々木啓司監督「調子いい」と太鼓判 8日前橋商戦【夏の甲子園】
紅白戦で投3回2安打無失点、打2打数2安打2打点
さあ、決戦だ―。8日に前橋商(群馬)との甲子園初戦に臨むクラークが7日、兵庫県西宮市内で練習を行った。4イニングの紅白戦も行い、主力組が控え組に3-0で勝利。主力組の先発を務めた新岡歩輝主将(3年)は3回2安打1四球の無失点投球。打っても2打数2安打2打点と投打において順調な調整ぶりを見せた。新岡自身、初めての夏の甲子園。大暴れする準備は整った。
新岡「明日までにしっかりイメージをしていきたい」
力感なく、感触を確かめるように34球を投じた。決戦に向けての最終調整。力を込めるのではなく、指先の感覚を確かめるためにバランスを重視した。時折、変化球が抜ける場面は見られたが「今日はスナップを意識しました。明日までにしっかり(投球の)イメージをしていきたい」と表情は明るい。体の状態に関しても「トレーナーの方からも『いい状態』と言われている」とお墨付きだ。
悪癖修正、左前打&左中間適時二塁打
佐々木啓司監督(67)も「新岡が調子いい。新岡中心の万全な態勢ができてきている」と太鼓判を押した。大阪入り後、打撃の調子が上がらなかったそうだが、前に突っ込む悪癖を修正し6日から感触が良くなった。紅白戦でも第1打席に左前打、第2打席は左中間を破る適時二塁打を放った。フリー打撃でも柵越えを披露するなど上向きなのは間違いない。
練習試合で強打の仙台育英を完封
甲子園が開幕した6日は第3試合の仙台育英-浦和学院の一戦をテレビ観戦。19安打19得点の猛打で勝ち上がった仙台育英。春季全道大会直後の練習試合で新岡は仙台育英を完封しており、開会式のときも山田脩也主将(3年)や尾形樹人捕手(3年)らから「打てなかった。当たらない」と声を掛けられたという。「調子が良かった感じでもなかったんですけどインコースを使って抑えられたので、逃げる投球スタイルではなくて、しっかり攻めるところは攻める強気のピッチングにはしていきたい」。高校生活最後の甲子園。新岡が集大成となるプレーを見せる。
紅白戦でクーリングタイムを予行演習
予行演習はバッチリだ。クラークは4イニング制の紅白戦で本番同様に、10分間のクーリングタイムを設定。三回終了時に行われ、水分補給や水で冷やしたタオルで体温を下げた。
新岡は「結構涼しくなりました」とニッコリ。「自分は顔とか首を冷やす。手とかはあんまり感覚的に合わない」との発見もあった。3回で降板していた新岡は指先を冷やした後にブルペン直行。一度冷やすと「感覚的に(球が)伸びない」そう。「そういう目的でやったので、確認できて良かったです」。
佐々木監督「その10分間が鍵を握る」
6日の紅白戦でもクーリングタイムを設けており、佐々木監督は「水分補給の仕方だったり、その10分間が鍵を握る。皆さん手探りだから、昨日の情報もありがたく受け止めながら進めていければ」と想定は怠らない。
夏の甲子園での勝利は部長として経験しているが、監督としてはまだない。「長生きしていれば、いつか1勝が転がり込んでくる」と笑う。ユニホームに変更を加え「体が引き締まって見えるように」と縦縞のラインを少し濃くした。夏の聖地初勝利、そして3元号勝利へ、納得のいく調整ができた。