厳しい結果に終わった鹿島戦　攻め手もなく完敗

　６日のアウェー鹿島戦（０●３）。先取点をあれだけ早い時間に取られてしまい、その後セットプレーで２失点。札幌の攻め手もなかなかなかったという厳しい試合になってしまった。

キックオフ直後の失点　相手が全てにおいて上だった　

　開始早々に喫した失点については、鹿島の出足に対して札幌のプレッシャーの距離が長くなってしまい、対応が遅くなっていた。相手がうまく札幌の選手の間に入っていたため、誰がマークに付くのかというところで混乱させられてしまった。札幌よりも明らかにテンションの高い試合への入り方をしてゴールにつなげたあたり、鹿島が全てにおいて上だったなと感じさせられてしまった。

質の高いＣＢと対峙　パスでつなぐだけでは厳しい

　攻撃面でも、この日はビルドアップの位置が低く、前線にラフに蹴るボールが多かったし、ドリブルを仕掛けて相手をはがすというシーンもほとんど見られなかった。パス、パスとつなぐだけじゃなく、しっかりとトラップではがして持ち運ぶディフェンダーのビルドアップ能力、ボランチのボールを運ぶ、前進する力がないと、はめられたところでシャドーの選手に渡したとしても、ゴールに背を向けてしまっている。そうなると、いくらアジリティーが良くても、鹿島のような質の高いＣＢ相手では厳しい。

途中出場のＭＦ青木＆小林に光明

　その中で後半途中から出てきたＭＦ青木がリズムをチェンジする役割を担っていて、コンディションが上がってきているなという感じを受けた。また、ＭＦ小林もボールを受けるタイミングであったり、もらってさばいて時間をつくっていて、すごく有効的なプレーができているなと見ていた。
 

リーグ戦６戦勝ちなし　下を向いている選手が多く雰囲気的に良くない

　後半２２分にＣＫから３失点目を喫してしまい、そのまま０－３で敗れた。リーグ戦６試合勝ちなし（２分４敗）となってしまった。今、札幌が苦境に陥ってしまっている原因は一概には言えないが、この試合でも０－３になった時点で下を向いている選手が多く、雰囲気的に良くない状況だなというのが明らかに分かってしまっている。

　もし自分が今このチームでキャプテンをしているとすれば、戦う姿勢を全面に見せて引っ張っていこうとするだろう。強烈なリーダーシップを発揮して、チームを上向きにさせるような声かけをしたり、球際で戦うことや、フリーランニングをするなど、できることを９０分間忠実に、愚直にやり続けることをチームに浸透させる。
 

離脱の宮澤主将に代わるリーダーの台頭に期待

　ＭＦ金子、ＧＫ具聖潤、ＭＦ田中宏などいろいろな選手が抜けた中で、今はチームがフワッとしてしまっているような印象を受ける。キャプテンのＭＦ宮澤が不在の中で、この状況を打破するような、チームを引っ張っていくリーダーの台頭が求められている。うまくいかないのを、誰かのせいにするのは簡単だが、そのミスも全部自分で拾っていく、引き上げていくような団結力が問われていると思う。

次節は札幌ドームでの鳥栖戦　戦う気持ちを呼び起こしてくれる相手

　次節は鳥栖を迎えての、久しぶりの札幌ドームでのホームゲームだ。鳥栖もここ５試合（天皇杯含む）で１勝４敗という成績ではあるものの、ＦＷ岩崎やＭＦ堀米など要所要所に良いプレーヤーが揃っているし、何よりも戦う気持ちを前面に押し出してくるチーム。札幌も戦う気持ちを出して、あと一歩、球際ではあと５０センチ詰めることを心がければ、失点も防げるし、ボールが自分の前に転がってくると思う。

　サッカーがうまいとかどうとかではなく、大事なのはそういうところだと思っている。鳥栖は戦うことを呼び起こさせてくれそうなチームなので、逆に今の相手としては最適かもしれない。

４９日ぶりの札幌ドーム　ファイトする姿を見せて勝ち点３を　　

　この試合では来場者全員にオリジナルＴシャツがプレゼントされる。多くの方が来てくれると思うので、そこで鹿島戦のような試合をするわけにはいかない。人に勇気や感動を与えるのは、小手先の技術や対応ではなく、勝利を目指してファイトする姿だと思っている。プロとしてそういう姿を見せて、勝ち点３をつかみ取ってほしい。