6年目左腕・北浦 今季初登板で2回完全「あしたも投げたい気持ちです」
■パ・リーグ15回戦 西武6ー3日本ハム(8月8日、エスコンフィールド北海道)
七回から2番手登板 「自分のペースで投げられました」
日本ハムの北浦竜次投手(23)が8日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦の七回から2番手で登板。今季初の1軍マウンドで2イニング、打者6人を完璧に抑え、無失点でバトンをつないだ。初めて新球場での登板を経験した背番号63は「思った以上に投げやすかったので自分のペースで投げられました」と気持ち良さそうに汗を拭った。
2022年9月27日以来の1軍登板は、5点ビハインドの状況で訪れた。敗色ムードが漂う状況も「来たばっかりなので言い方は悪いけど、負け試合で投げることが多くなるのかなと思っていた」とシミュレーション済み。過度な緊張感を覚えることなく、自然体で腕を振った。
直球主体に西武打線を手玉 女房役の郡司に感謝
この日の最速は149キロ。自慢の直球を主体に西武打線を斬り「いつも通りの自分で投げられたらボールは行くと思っていました。(好投は)郡司さんの配球のおかげです。僕が投げたいサインを出してくれて、それがテンポや良い結果につながったのかなと思います」と謙虚な言葉を並べた。
左肩痛に苦しめられてきたプロ6年目ジーズン
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「勝負の年」と位置づけ、高卒6年目のシーズンを迎えた。昨季11試合に登板した左腕は大きな飛躍を期していたが、競争のスタートラインに立つことさえできなかった。
悩みの種はキャンプ前から抱えていた左肩痛だった。実戦までたどり着けないまま迎えた5月。鎌ケ谷暮らしを続けていた北浦は「自主練の時は毎年痛いのが当たり前で、投げていくうちに大丈夫になる。だけど今年に関してはずっと痛みがあった。一回休んで、また投げて『痛い』ってなって、また休む。我慢したら投げられるけど、100%が出せないままズルズルいっていた」と苦しい心境を吐露していた。
筋トレ徹底で光明 残り試合へ「しっかりアピールしたい」
投げられない時間は「下半身、上半身の筋トレを重点的にやることで出力を高めました」と黙々と体を鍛え上げた。6月4日の実戦復帰以降は徐々に状態を上げ、2軍戦12試合に登板し防御率1・29。好成績を収めたことで「ファームの4~5試合目ぐらいから、やっと(感覚を)つかめました。本当に最近ですね」と手応えを得た。
シーズンは節目の100試合を終えた。前半戦を棒に振ったが、まだまだ存在感を示すチャンスは残されている。「自分が持っているピッチングを信じてやってきて(1軍に)呼ばれる機会ができて、アピールもできた。後半戦はしっかりアピールしたい。あしたも投げたい気持ちです」
■建山投手コーチ(北浦の投球について)
「左で速いボールを投げる投手は球界でもなかなかいない。もともとストレートは速かったけど、変化球でカウントが取れたり、決め球に持っていく精度が上がってきた。(今後は)2イニング、試合状況によっては3イニング投げてほしい時もあると思います」