二刀流ルーキー矢沢 1軍昇格即ヒット 荷造りに苦戦も「化粧水、洗顔、ヘアオイル。それさえあれば」
■パ・リーグ15回戦 西武6ー3日本ハム(8月8日、エスコンフィールド北海道)
2カ月ぶりの1軍舞台 九回に代打で右前打
日本ハムのドラフト1位ルーキー・矢沢宏太投手兼外野手(23)が約2カ月ぶりに1軍復帰を果たした。8日の西武戦で九回に代打出場し、右前打をマーク。6月3日の巨人戦(東京ドーム)で右膝と左手小指を負傷し、その後は2軍で調整を続けていたが、昇格して即結果を残した。
「2軍にいた時からバッティングの調子は良かった。それを1軍でも出せるかっていう不安はありましたけど、自分のメンタル的な部分が変わらなければパフォーマンスも大して変わらないかなと思って、集中していきました。良い打席だったかなと思います」
2号ソロの同期・奈良間から刺激 心がけたのはセンター返し
同期入団で同学年の奈良間が八回に2号ソロを放つなど躍動していた。「奈良間が打ったので、僕もライトにでっかいの打ったろうかなって思った」とライバルに刺激され一瞬、本塁打を意識したが、思いとどまった。「(2軍で)やってきたのはセンター方向を意識すること。打球がどこに飛ぶかは分からないですけど、それは決めてやってきた」。万波の代打で打席に入ると、好投手・増田を相手に粘り、カウント2ー2からの7球目を確実にミートして右前に運んだ。
初経験の昇格移動 大量荷物に「引っ越しですよね」
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ルーキーイヤーの今季は開幕1軍を勝ち取り、プロ初本塁打も記録。投手としても初登板を果たすなど、負傷前まで順調にキャリアを積み上げていた。そのため、2軍から1軍に昇格するのは今回が初めての経験。苦労したのは、鎌ケ谷から札幌へ移動する前の荷造りだ。
「これ持ってくるの忘れたってなったら嫌なので、荷物が結構多いんです。やっぱり何日か前に上がるぞって言われるわけじゃないので、いきなり段ボールにバーっと詰めて送るしかない。野球バッグを大きいの2つぐらい。バットケースも2ケースぐらい…だいぶですね。段ボールもいくつもだし、大きいキャリーもあって、引っ越しですよね、本当に」と苦笑いを浮かべた。
プロ野球選手は見た目も大事 〝三種の神器〟を忘れずに
矢沢には、どこに行く時も欠かさず持っていく必需品がある。「化粧水、洗顔、ヘアオイル。それさえあれば、なんとかなります。シャワーを浴びて、そういうのをしておかないと、ニキビとかめっちゃできるので」。多くのファンに見られるプロ野球選手らしく、身だしなみにも気を使っている。
合流前日にもトレーニング 目の前の1勝へ妥協なし
もちろん、野球の準備も整えてきた。通常、火曜日(8日)からの合流の場合、月曜日(7日)は移動休み。しかし、二刀流に挑む23歳は「きょう(7日)は鎌ケ谷でウエートをして、室内でバッティングをしてから(北海道に)行きます」と、暑さ厳しい鎌ケ谷で合流前日もしっかり汗を流していた。
チームはちょうど100試合を終え、41勝59敗。借金18で最下位に沈む。それでも上位浮上を諦めるわけにはいかない。「少しでも、1勝でも多く勝てるようにやっていきたいですし、勝つ中で少しでも多く貢献できたら」と力を込めた。打撃、守備、走塁、投球―。全ての能力をフル活用し、目の前の1勝をつかみにいく。