昨季より早く自力CS消滅 新庄監督「それが現実。力不足」
■パ・リーグ16回戦 西武6ー0日本ハム(8月9日、エスコンフィールド北海道)
今季ワースト借金「19」 4連敗は今シーズン4度目
パ・リーグ最下位の日本ハムは9日、エスコンフィールド北海道で同5位の西武に敗れ、101試合目で自力によるCS(クライマックスシリーズ)進出の可能性が消滅した。4連敗で借金は今季ワースト「19」。新庄剛志監督(51)は「それが現実ですから。力不足というところ」と置かれた状況を受け止めていた。
死球とエラーが発端の失点 打線は今季10度目の無得点
希望が見いだせない。先発のマーベルが粘りの投球を見せたが、五回2死から死球の後、二塁手・山田の失策でピンチを広げ、連打を浴びて3失点。七回には3番手の玉井が打ち込まれ、さらに3点を奪われた。打線は一回からゼロ行進だった。
昨季を上回る不振 席を立つファンに「マジでつらい」
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最後まで歯車はかみ合わず、試合が終わった。指揮官は「七回に3点を取られて、スタンドのファンのみんながバタバタと帰るところを見たら、マジでつらい」と悲しい表情を浮かべ「もうちょっと待ってくださいと。今出ている選手たちは必ず爆発するから、ちょっと今は辛抱してください」と訴えた。
監督就任1年目の昨季、自力CSの可能性が消滅したのは、8月18日で、109試合目だった。当時は個々の成長に主眼を置いた〝トライアウト〟の位置づけ。対照的に2年目の今季は、勝ちに執着し、采配を振るってきた。それでも、成果は数字に表れない。
光明は若きスラッガーの成長 新戦力の台頭
高卒5年目の万波はキャリアハイを大幅に更新し、同6年目の清宮は確実性を高め、主軸の存在感を示している。新戦力のマルティネスや郡司も機能。投手陣では、田中正が新クローザーに定着した。明るい材料は、間違いなくある。
新庄監督も芽は出始めていると、確信している。だからこそ「成長はむちゃくちゃしているので。もう上しか向いていないので」と強調。続けて「成長を楽しみながら、あまりくよくよせずにね。一日一日、何かを学んでいかないと、また一緒のことになってしまうから」と願いを込めた。
ペナントレースは残り42試合 新庄イズムの浸透目指す
大黒柱だった近藤が抜けた穴は大きいが、大型補強をせず、若い力の台頭に懸けてチーム力増強を図ってきた。既存の枠にはまらない新庄イズムは着実に浸透しつつある。シーズンは残り42試合。収穫を得て、実りの秋を迎えたい。