鎌ケ谷発企画「待ってろエスコンF」 第4回は田宮裕涼捕手
ファンも多い高卒5年目 走れるキャッチャーの今
2軍で泥にまみれながら己を磨くダイヤの原石たちにスポットを当てた新企画「待ってろエスコンF~鎌ケ谷チャレンジャーズの今に迫る~」。近い将来、新球場のスターになる可能性を秘めた若きタレント候補の現状を掘り下げる。不定期連載の第4弾は、18年ドラフト6位の高卒5年目・田宮裕涼(ゆあ、23)。チーム最年少捕手は今、何を考え、日々野球と向き合っているのか聞いた。
経験値急上昇の2023年シーズン リカバリーを意識
―今季は2軍で、すでにキャリアハイの77試合に出場している。 今の状態は
「自分的には調子は悪くないと思います。前半戦の最後の方は、体力的にしんどいなと思っていたんですけど、今は大丈夫です」
―2軍戦は猛暑の中で行われることが多い。 コンディションを整えるためにやっていることは
「今年は試合に毎日のように出ていたので、試合後に練習する時と休む時をしっかり分けて、試合に出続けるためのリカバリーは意識しました。こんなにずっと試合に出続けるのは5年目で初めて。こういう経験ができているのは良いことだと思います」
今季は食事量もアップ 毎日欠かさず摂るものは
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―一日のタイムスケジュールは
「だいたい起きるのは7時ぐらい。起きてすぐご飯を食べに行きます。前は朝ご飯をあんまり食べられなかったんですけど、5年目にして、ようやくちゃんと食べられるようになりました。米150から200グラムぐらいを、毎回計って食べています。あと毎日食べるのはヨーグルトとフルーツです。朝にウエートがある時は練習前にやって、ウエートがない時は仮眠を取ったり、ストレッチしたりして、そこから全体練習に行く。練習や試合が終わったら治療を受けたり、自主練習をしたりですね。夜は部屋で自分のバッティングや、次の日に戦う相手のピッチャーの動画を見て寝ます」
自身の打撃は連日チェック 「だんだんと分かるようになってきた」
―自身の動画を見る狙いは
「フリー打撃の動画をチームで撮っているので、その日の練習で良かったなってところと、良くなかったところを夜に確認しています。きょうの練習、全然ダメだったなーって時は、何がダメだったか映像を見て、タイミング取れていないなとか、スイング悪いなとか、そういう感じで見ています。自主練の動画もときどき撮って見ています。動画を見始めたのはかなり前からなんですけど、深く考えるようになったのはここ2、3年ですね。2年目までは、見てはいましたけど、この動きが良いのか悪いのかがあんまり分からなかったので。3、4年目ぐらいから、だんだんと分かるようになってきました」
肉体改造の成果を実感 打球速度も右肩上がり
―入団時と比べて、体が明らかに大きくなった
「そうですね。1年目とは比べものにならないです。夜も毎日、米を計って食べていたので、その成果ですかね。もう、茶碗にご飯をよそった時に、グラム数がだいたい分かるようになりました(笑)。1、2年目は夜500から600グラム食べていたんですけど、今は400ぐらいにしています。ずっと体力をつけることと、体づくりをやってきて、最近になってようやく体ができてきて、技術に目を向けられるようになったんです。体重は入団時74キロぐらいだったのが、今は79キロぐらい。ウエートも、ベンチプレスで100キロ上がったことなかったんですけど、最近2、3回上げられるようになりました。入った時はマックス70キロぐらいだったので、まだまだですけど、成長していると思います。全体的に大きくなったと思いますし、体の中の筋肉がだいぶついてきた。練習で打球速度を測っても伸びてきているので、あとはそれをどう試合に結びつけていくかです」
母親からも「もっとボールを前で打ちなさい」 分かっているよー(笑)
―今年の大卒1年目は同学年。焦りを感じることもあるか
「そうですね。僕が入団する時に描いていた5年目と今は違っていて、うまくいかないことが多いです。でもそれも良い経験というか、たくさん勉強させてもらっていると思う。1軍で試合に出るためにっていうことを今年はずっと考えているので、落ち込んではいられないです。鎌ケ谷にファンの人がたくさんいてくれるのも頑張れる理由の一つですし、親も試合を見に来てアドバイスをくれたりする。母親に『もっとボールを前で打ちなさいよー』とか言われて、分かっているよーって(笑)。あと久しぶりにオールスター休みで実家に帰って、(母校の成田)高校にあいさつに行ったんですけど、監督にも『おまえしかいないから頑張ってくれよ』って言われて、頑張らなきゃってあらためて思いました」
夢見る同学年との共闘 万波、野村、奈良間らの活躍に刺激
―万波や野村ら同学年の活躍は刺激になるか
「気になって焦ることはないですけど、僕もあの同じ場所で一緒に戦いたいなーってずっと思っています。マンチュー(万波)とかジェイ(野村)とか奈良間とかと一緒に出て守って打って。1軍の試合も見ますけど、自分の能力を上げなきゃなと、それだけですね。今はキャッチャーとして年もチームで一番下。上の人たちを抜かすために、自分がどのジャンルで生き延びて、個性を出していけば良いのかはすごく考えます」
ストロングポイントは打撃と走塁 夏が終わる前にエスコンへ
―どう先輩たちとの違いを出していくか
「守備よりは、打って走ってというところに自信を持っている。そこでまず結果を出して、アピールしていきたい。夏が終わる前に、エスコンに行きたいです」
乃木坂46を好きになったきっかけは西武・源田の夫人
―オフや自由な時間にしていることは
「どこも行く予定がない時は基本、午前中に練習します。オフも毎日練習するようにはして、完全オフはつくらないように。全くバットを振らないことはここ数年ないです。 あとは、毎日じゃないですけどオタ活(笑)。乃木坂46が好きなので、癒やされています。今一番の推しは、乃木坂4期生の早川聖来って子だったんですけど、最近卒業してしまったので、今探しています。乃木坂を好きになった理由は、中学生の時に取材で、今は西武の源田さんの奥さんの衛藤美彩さんがインタビューに来てくれたこと。それが乃木坂を好きになるきっかけでした。中3の時に会って、虜(とりこ)になっちゃいました。源田さんにはまだ言ったことないです(笑)」