ファイターズ
宮西 14年連続50試合登板達成 リーグ記録更新
■日本ハム1ー0西武(26日、札幌ドーム)
宮西の目は赤かった。0―0の八回2死から2番手で登板。マウンドで待つ栗山監督に「長い間、投げてくれてありがとう」とボールを渡されると、込み上げる感情を抑えきれなかった。
岸をわずか3球で投ゴロに打ち取り、14年連続の50試合登板を達成。「まさか、涙が来ると思わなかった。やっぱり今の自分があるのは監督のおかげ。目うるうるしながら言われたら、こちらも感極まりました」と照れ笑いを浮かべた。
サプライズ演出もあった。今季49試合目の登板となった19日の西武戦の翌日。「最後、監督がマウンドで僕にボールを渡したい」とひそかに計画していることを耳にした。「逆ドッキリでいこうかな」。指揮官が好きな歌手、さだまさしの曲を2、3日間聞き続け、登場曲を「道化師のソネット」に変えた。
14年目の今季はプロ入り後初めてという不調に悩み、春先には出場選手登録を抹消。下半身のコンディション不良もあり、勝ちパターンを外れた。記録が途絶えることを覚悟していたが、栗山監督は信用して起用し続けてくれた。
試合後のセレモニーでは、指揮官へ50試合登板の記念ボールをプレゼント。「信頼して使ってくれた証し」として、栗山政権下の10年間で積み重ねた登板数とホールド数をしたためた。
苦しみながら自身の持つパ・リーグ記録を更新し、岩瀬が持つ15年連続50試合登板のプロ野球記録に王手をかけた。
「今年は監督の思いがあって投げさせてもらえた。その感謝を込めて、来年は50試合登板して、今年の50試合が意味があったんだなと思いたい」。新たな決意を胸に、鉄腕サウスポーは来季を見据えていた。
(中田愛沙美)