育成右腕の福島 故郷の青森で4回1失点「地元っていいですね」
■イースタン・リーグ13回戦 日本ハム5ー3楽天(8月12日、弘前)
八戸市出身の高卒2年目 家族や友人、知人の前で好投
ふるさとの澄んだ空気に心が躍った。日本ハムの福島蓮投手(20)が12日、青森・弘前で行われた2軍楽天戦に先発し、4回3安打1失点と好投した。
高卒2年目の育成右腕は、同・八戸出身。家族や友人、少年野球チームの指導者、後輩たちなど多くの関係者が見守る中で〝凱旋登板〟を果たし「いろんな人が見に来てくれていたので、楽しかったです。地元っていいですね。見てくれた人に、ちょっとでも夢を与えられていたらうれしいです」とさわやかな笑顔を見せた。
苦い思い出を払拭するパフォーマンス スタンドから温かい拍手
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試合会場の「はるか夢球場」には苦い思い出があった。八戸西高2年時の秋、青森県大会決勝でマウンドに上がるも「ボコボコに打たれて終わった」と大敗。しかし、この日は堂々とプロでの成長を見せつけた。
いきなり2点の援護をもらった一回は、先頭の渡辺佳から空振り三振を奪うなど3者凡退。勢いに乗ると、二回以降は走者を背負いながらも、最速150キロを計測した直球を軸に決定打を許さなかった。四回に1点を失うも、リードを守ったまま降板。「球自体は悪くなかったと思うんですけど、最後の決め球が浮いたり、カウントの取り方がまだまだ」と反省したが、5奪三振の力投にスタンドからは温かい拍手が降り注いだ。
徐々にプロの体へ 今も続ける〝食トレ〟
21年育成ドラフト1位で入団し、一貫して体づくりを最優先にトレーニングを積んできた。プロ入り当初は190センチ、70キロと細かったが、現在は78キロまで増量に成功。「増えましたね。夏前にそのぐらいまでいって、今は頑張って(減らないように)耐えています」と毎晩、米600グラムを平らげる〝食トレ〟を欠かさない。
期待の長身150キロ右腕 狙うは来季3年目の大ブレーク
今季の支配下入りはなくなったが、焦りはない。入団時から、3年目での昇格を思い描いている。「体づくりは今の状態でしっかり続けて、来年勝負できたら。残りのシーズンもあと2カ月ないので、このまま抑え続けてアピールして、キャンプで1軍に行ければ理想的。それまでにしっかり体ができていれば、開幕1軍を狙いたい」と意気込んだ。
長身から投げ下ろす150キロは、今でも魅力十分。故郷のマウンドをきっかけに成長速度を上げ、3年目の大ブレークを成し遂げてみせる。