北海主砲・熊谷陽輝 夏6戦5発の長尺バット新調「飛びやすくなった」【夏の甲子園】
2回戦の浜松開誠館戦は14日第3試合
7年ぶりに初戦を突破した北海は、14日第3試合となる2回戦で浜松開誠館(静岡)と対戦する。この夏5本塁打の4番・熊谷陽輝一塁手(3年)は、甲子園入りしてからこれまで使っていた86センチのバットを新調。1回戦の明豊(大分)戦では二塁打を含む2安打と好調を維持した。今度は甲子園で豪快なアーチを放って勝利する。
SSK勤務の野球部OBからミート力に優れた「スカイビート31」
弘法筆を選ばず―。熊谷はSSKの「スカイビート31K」86センチモデルを拳一つ分短く握り、夏は6試合5本塁打とアーチを量産していた。2016年に準優勝した北海OBの井上雄喜さん(24)が当時使用していた〝おさがり〟で、86センチは需要が低く、製造数は限られていて新品は手に入りにくい状態だった。7月31日の大阪入り後、従来品より打球面が太く、先端部分が少し絞り込まれたミート力に優れた「スカイビート31」が、同社勤務の野球部OBを通じて熊谷の手元に届いた。「わざわざ持って来ていただいて使わないのも。こっちの方が飛ぶって聞いたので」と、練習で試した後、10日の明豊戦に挑んだ。
1回戦では二塁打含む2安打
結果は、本塁打こそ出なかったが二塁打を含む2安打。チーム甲子園初アーチは小保内貴堂左翼手(3年)に持っていかれた。「飛びやすくなった。振りにくさはあるんですけど、打球がその分、飛んでくれるんで、多少詰まっても飛んでくれる。苦ではない。欲を言えば、自分がチームで最初に打ちたかったなっていうのはあるんですけど、小保内のホームランで勝ったので、感謝とかありがとうって気持ちしかない」。次は主砲が豪快なアーチを甲子園の空に描いてみせる。
投手用グラブも新調 「ピッチャーではより集中」
熊谷は投手用のグラブも新調した。モデルは一緒で、以前より色の濃いワインレッドで「かっこいいですよね」とお気に入りだ。熊谷にはバットのみならず、投手としても期待が掛かる。「ピッチャーの球速も上がりますし、打撃もだいぶレベルが上がると思う。自分たちピッチャー陣がどれだけ抑えられるかが鍵になってくる。バッターもそうですけど、ピッチャーではより集中して臨みたい」。今春はU18日本代表候補選手の強化合宿に選出された。右肘の負傷で辞退したが、実力は全国クラス。今度は熊谷が投打で勝利の中心に座る。