【プレーバック】全国高校野球選手権2回戦 花巻東2-1クラーク(8月13日、阪神甲子園球場)
麟太郎との対決は新岡に軍配も 雨天中断を経た八回に勝ち越し許す
7年ぶり2度目の出場で、1回戦は春夏通じて甲子園初勝利を果たしたクラークは、2回戦で花巻東(岩手)と対戦して1-2で敗れた。
注目は小中高とそれぞれの年代で対戦しているクラークのエース・新岡歩輝投手(3年)と高校通算140本塁打を誇る花巻東の主砲・佐々木麟太郎一塁手(3年)の対決だった。一回の佐々木の第1打席。一塁側のプレートを踏んだ新岡は、2ボールからファウル2つで追い込むと、最後はフルカウントから142キロの速球を内角にズバリ。空振り三振に打ち取ると、バックネット裏からどよめきと歓声が沸き上がった。
四回、わずかな守備のスキを突かれ先制を許した。この回先頭の熊谷の打球は打ち取った当たりだったが、一、二塁間を抜け右前へ。さらに山田陽紫右翼手(2年)のチャージが緩く、打者走者に一気に二塁を陥れられ、無死二塁で佐々木と2度目の対戦を迎えた。1-1から遊ゴロに打ち取ったが、走者は三進。相手4番・北條の三塁内野安打の間に、先制点を奪われた。
クラークが反撃に出たのはラッキーセブンの七回。1死から9番・高橋歩希遊撃手(2年)が四球で出塁すると、1番・鈴木凰介左翼手(2年)が三遊間を破る左前打で好機を広げた。2番・山田は1度は犠打に失敗したが、追い込まれてから左翼フェンス際に大きな飛球を放ち、高橋が三進。3番・新岡の三塁への打球が敵失となり、ついに試合を振り出しに戻した。
八回の1死一、二塁の好機、フルカウントで突然ゲリラ豪雨
同点で迎えた八回クラークの攻撃中、1死一、二塁、打席には8番・吉田暁登三塁手(3年)。フルカウントで突然、ゲリラ豪雨が襲ってきた。試合が中断し、一度は雨が小降りになってバッテリーがブルペンに入ったが、またすぐに雨足が激しくなり再度中断。結局、約94分の中断を経て、ナイター照明も点灯して午後5時35分に試合は再開した。吉田はフルカウントから四球を選んで1死満塁としたが、後続が続かず無得点に終わった。
花巻東が1番から始まった八回。新岡は先頭・久慈に内野安打を許し、1死後、佐々木と4度目の対戦を迎えた。そこではこの日最速の143キロをマークするなど渾身の力を振り絞って投球。最後は遊ゴロに打ち取った。しかし、落とし穴はその後に待っていた。四球で2死一、二塁としてから5番・千葉に勝ち越しの適時打を許し、これが決勝点となった。佐々木との対決は4打数無安打と完璧に抑えたが、チームとしては北北海道勢15年ぶりの甲子園2勝を達成することはできなかった。
■132球を投げて完投したクラーク主将の新岡歩輝投手(3年)
「何とか勝たせてあげたかったですけど、最後は自分が打たれて、自分がチャンスで併殺になっちゃって。みんなに申し訳ない」
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